ウォーターサーバーを利用するのであれば、安全に衛生的な状態を保ちたいものですよね。
しかしほとんどの水を扱う製品に共通することですが、使用方法やメンテナンス方法を誤ると、カビや汚れなどのリスクも発生します。
ウォーターサーバーについては、必要なメンテナンスや仕様についてしっかりと理解することで多くの場合そのリスクの予防が可能です。
そこで今回の記事では、ウォーターサーバーを検討中の方・利用中の方もぜひ知っておきたいカビとウォーターサーバーにまつわる基礎知識・対策の実践について徹底的に解説していきます。
なお、衛生的なウォーターサーバーについて知りたい方は下の記事をぜひご覧ください。
ウォーターサーバーとピンク汚れ カビの種類と基礎知識
ウォーターサーバーは構造上メンテナンスのしづらい部分や、利用者ではクリーニングすることのできない箇所があります。しかし、それ以上にウォーターサーバーを設置する環境とカビなどの雑菌の性質について知っておくことで衛生管理の難易度は少しずつ下がっていくでしょう。
まずはカビが好む環境について正しく理解しましょう。
カビはこのような環境が大好き
高い湿度(60%~90%)
ウォーターサーバーに発生するカビは主に好湿性です。60%以上の湿度で活発に活動をはじめ、80%を超えた頃にはすさまじい量のカビが繁殖しています。
高い温度(20℃~30℃)
実はカビが活動可能な温度は幅広く、20℃~30℃が生育に適しているというだけで発生だけであれば0℃~50℃までの温度でも生きていくことができます。中でも25℃~28℃は生育に最適な温度。人間が快適だと思う温度で育つため厄介なものでもあります。
ホコリやダニ、水垢などの汚れがある所
ホコリやダニなどの汚れは、カビの栄養分になってしまいます。部屋やウォーターサーバーに付着しているホコリなどは積極的にふき取る事が大切です。また、水垢もカビの繁殖を助けてしまうため注意が必要です。
空気
ウォーターサーバーの水には塩素が含まれていないため、開封し空気に触れることで雑菌が繁殖し始めてしまいます。カビの生育を防ぐため、ウォーターサーバーの水はなるべく空気と触れさせない様にしましょう。
カビの発生しやすい時期とは
高温多湿かつカビの栄養になるものが豊富な時期というと梅雨時を連想する方も多いかと思います。
しかしながら温度差による結露やダニの繁殖期などにもカビの繁殖は盛んになります。
そのため部屋の空気を入れ替えることを欠かさないようにしましょう。ダニに関してはカビをエサとして成長していくため、実質歩くカビのような存在だと思っておきましょう。
ダニは梅雨時に多いため、カーペットや布団など部屋のいたるところをこまめに掃除することが得策です。
ウォーターサーバーに発生しやすい2種類のカビ
カビの種類は多くありますが、ウォーターサーバーに発生するカビは大きく分けて2種類です。それらは黒カビや赤カビと呼ばれています。
黒カビ(クロカワカビ、ススカビ) | 赤カビ(酵母菌「ロドトルラ」) |
空気中にも多く存在しているポピュラーなカビ。アルコール・熱消毒に弱く除菌はそこまで難しくありません。特にススカビは、アレルゲンや気管支疾患の原因になる場合もあります。 | ウォーターサーバーやお風呂などの水回りに発生する赤いカビのようなものは「ロドトルラ」という酵母菌です。黒カビと異なり水のみで増殖してしまうのでこまめなお手入れが必要になります。 |
ウォーターサーバーの水の中に黒・赤色の浮遊物を見つけたら、それはカビの可能性があります。まずはメーカーに問い合わせをしてみましょう。
これはなに? 水の中に白い浮遊物
ミネラル分の多い水を利用していると、ごくまれに水の中に白い浮遊物を発見することがあります。これはミネラルが結晶化するために起こることなのでカビの心配はそこまでせずとも良いでしょう。ちなみに一度結晶化したミネラルが再び水に溶けることは無いので、気になるようであればメーカーに連絡をしてみましょう。
ウォーターサーバーのピンク汚れは対策できる
ウォーターサーバーにはいくつかのカビが発生しやすいポイントがあります。実際のサーバーを例に、メンテナンス方法も交えて確認していきましょう。
ウォーターサーバーのここに注意!
今回はクリクラから製造されているクリクラサーバー(L)を例にカビの発生しやすいポイントを解説していきます。
ウォーターサーバー使用時に発生条件が当てはまるカビとその場所、メンテナンス方法
①ボトル差し込み口
クリクラサーバーのようなガロンボトルを採用しているウォーターサーバーは、水のボトルの装着が甘いと水が漏れてしまうこともあり、その際に水が溜まってしまう事があります。
水が溜まっていてはカビの温床となるため、ボトル交換のたびに水気がないかチェックするようにしましょう。
(画像引用:クリクラサーバー取扱説明書)
普段からしっかりとセットすることがベストですが、万が一水漏れに気づいた際には、ボトル差し込み部分を清潔な布でふき取りましょう。
またフレシャスのようなウォーターパックを採用しているウォーターサーバーで水漏れが起きた場合も同様にウォーターパックホルダー内の水気をふき取ります。
②給水口
給水口は水と空気以外にも、ホコリやお茶を淹れる際の跳ね返り、子どもがいたずらをした際の皮脂などカビの栄養となるものが特に多い要注意ポイントです。
給水口の外側はもちろん、内側も綿棒などで掃除をすることが大切です。
③水受け皿
水受け皿はホコリ・水のどちらも溜まりやすく、常に意識が必要な部分です。跳ね返りなどはそのたびにふき取る事でより衛生的な状態を保つことができますよ。
ウォーターサーバーの設置を工夫しよう
ウォーターサーバーでのカビ繁殖を防ぐためにできることはまだあります。
それは配置を工夫することです。ウォーターサーバーの設置環境の良い例と悪い例を表にまとめましたのでご覧ください。
内部の汚れには内部クリーン機能で対策
ウォーターサーバーの外側はセルフメンテナンスができますが、機械内部となると専門スタッフが行う必要があります。しかし、近年の高性能サーバーには自動の内部クリーン機能が搭載されていることも多い傾向にあります。
UVランプや熱湯循環による除菌機能、エアフィルターなどウォーターサーバーごとに特色がみられます。
衛生管理に向いているウォーターサーバーは以下のページで紹介しています。よろしければご覧ください。
ウォーターサーバー ピンク汚れに関するQ&A
この項ではウォーターサーバー ピンク汚れに関するご質問にお答えしていきます。
目に見える汚れは無いが水の味がいつもと違うのはなぜ?
カビなどの汚れはないものの水がかび臭い・変な味がするという場合には主な理由が2つあります。
1つ目は水ボトルに置き場所の臭いが移ってしまう「臭い移り」です。これは普段の水ボトルの保管場所や環境をクリーンなものにすることで改善することができますよ。
2つ目は、給水口・ボトル差し込み口などの見えづらい場所に生えたカビの臭いが付いてしまったケースです。これも日々のセルフメンテナンスでクリアできる問題です。心配であればメーカーにメンテナンスを依頼することも一つの方法ですね。
サーバーを数週間以上の使用しない場合には、水抜きが必要です。メーカー、サーバーごとに細かな対応は異なりますので、必ず問い合わせをしましょう。基本的に電源はONのままです。
ガロンボトルの衛生面は大丈夫?
使用後、回収・洗浄を繰り返すガロンボトルは「衛生面が心配」という不安を抱く方も多いようです。使いきりのワンウェイボトルは、水を消費するたびにボトルを圧縮する構造のものが多いです。
ワンウェイ方式のボトルは、外の空気を取り込まないためカビ対策には向いている構造といえます。
以下のページではワンウェイボトルとガロンボトル(リターナブルボトル)の違いについて情報を解説しています。よろしければ併せてご覧ください。
ウォーターサーバー ピンク汚れについてのまとめ
- 水回りはカビが繁殖しやすい状況が整っている
- 高温多湿には要注意!
- カビ対策には日頃のセルフメンテナンスが大切
- メーカーによる定期メンテナンス・本体交換も活用しよう
その他ウォーターサーバー選びに役立つ記事はこちら
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水ナビ編集部
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