ミネラルウォーターの「ラベルの見方」を教えます!アクアソムリエ&アナウンサーが教える水との付き合い方

こんにちは!フリーアナウンサー&アクアソムリエの野中智子です。

6月に入り、いよいよ梅雨の季節がやってきました。ジメジメとした蒸し暑い日々が続きますね。太陽が照っていないのであまり暑さを感じないかもですが、蒸し暑さも体力や体内の水分を奪っていきます。お互い、しっかり栄養補給、水分補給をして乗り切っていきましょう!

さて、今回のコラムですが、水のラベルについて注目してみたいな~と思っています。

地球環境に優しい「ラベルレス」のペットボトル!

今年4月、こんなタイトルの記事を目にしました!

【コカ・コーラシステム初導入 環境にやさしく、手間がかからない「い・ろ・は・す 天然水 ラベルレス」4月から全国で順次発売】

ペットボトルについているラベルをなくしてしまおう!という取り組み。もうすでに取り組んでいるところもあり、先日はコンビニでお茶のラベルレスのペットボトルを見かけました。

確かに捨てる時に、ラベルとペットボトルを分けるのはいちいち面倒くさい…。ですがラベルをなくしてしまうと、水の成分表示などはどうなるんだろう?コンビニエンスストアなどで、細かくチェックして購入したいお客様もいるはず・・・。
早速、「い・ろ・は・す」を販売している日本コカ・コーラ株式会社のホームページをチェックしてみました。

日本コカ・コーラ株式会社のホームページでは、「い・ろ・は・す」のラベルレスのペットボトルについて、次のように説明しています。

この度発売する、製品にラベルをはらない「い・ろ・は・す 天然水 ラベルレス」は、ラベルをなくすことにより、ラベルをはがす手間がなくなり、ゴミの分別も楽にすることが出来る製品です。
<中略>
本製品は、ケース販売のみとなっており、通常ラベルに記載している原材料名などの法定表示は外装ダンボールに記載することによりラベルレス製品の販売が可能となっています

出典:日本コカ・コーラ株式会社 ホームページ

なるほど~。ラベルレスのボトルは、コンビニエンスストアなどの陳列棚に並べられるわけではなく、ケース販売のみということなんですね。外の箱にきちんと表示をされていれば安心ですし、成分などもチェックできますね。

さてここで、皆さんに一つ質問です。皆さんは水を購入する際、どのくらいラベルをチェックしていらっしゃいますか?
好きなブランドの水、決まった水があるので、ラベルを見ることなく手に取るという方、
ラベルの硬度だけは確認するという方、成分にまで目を光らせるという方。

今回のコラムでは、ラベルの表示をじっくりと眺めると実は意外と面白い!ということをお伝えしたいと思います。

ラベルは水の「身分証明書」!

私は水のラベルは証明書みたいなもので、人間でいうところの戸籍抄本のようなものだと思っています。そのラベルを細かく見ると、氏名、出生地など色々なことが分かってくるんです。

まず、水のラベルを見てみると、基本的に四角い枠に囲まれた中には、次のようなものが表示されています。

  • 品名(名称)
  • 原材料名
  • 内容量
  • 賞味期限(品質保持期限)
  • 保存方法
  • 採水地
  • 製造者

この上記7つの項目は表示が義務付けられているものです。
まず今回のコラムでは、この表示が義務付けられている7つの項目について見ていきましょう!

① 品名(名称)

日本では現在のところ、この「品名」または「名称」は農林水産省の品質表示ガイドラインに基づいて、下記のように分類されています。

ナチュラルウォーター

特定の水源から採水された地下水を原水とし、沈殿、濾過、加熱殺菌以外の処理をしていない水

ナチュラルミネラルウォーター

特定の水源から採水された地下水を原水としたナチュラルウォーターのうち、ミネラル成分が溶け込んだ水で、沈殿・濾過・加熱殺菌以外の処理を行っていない水。
※天然で二酸化炭素が溶解し、発泡性を有する地下水を含む

ミネラルウォーター

原水は複数の水源から採水された地下水で、ミネラルが溶け込んだもの。
沈殿、濾過、加熱殺菌、品質を安定させる目的のためのミネラル分の調整、ばっ気(空気を溶け込ませること)などの処理を行った水。

ボトルドウォーター

ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター及びミネラルウォーター以外のもので、飲用できる水、水道水も含まれる。処理方法にも特に規定はないが、食品衛生法にもとづく殺菌は必要。

② 原材料名

「水」と記載し、その次に括弧で、(鉱水・鉱泉水・湧水・温泉水・浅井戸水・深井戸水、伏流水・水道水等)の種類が記載されています。

鉱水

ポンプなどにより取水した地下水のうち、溶存鉱物質などにより特徴づけられる地下水

鉱泉水

自噴する地下水のうち水温が25℃未満の地下水であり、溶存鉱物質などにより特徴づけられる地下水

湧水

地下水、被圧地下水の区分によることなく、自噴している地下水

温泉水

自噴する地下水のうち水温が25℃以上の地下水、または温泉法第2条に規定されている溶存鉱物質などにより特徴づけられる地下水のうち飲用適の水

浅井戸水

浅井戸からポンプ等により取水した地下水

深井戸水

深井戸からポンプ等により取水した地下水

伏流水

上下を不透水層にはさまれた透水層が河川と交わるとき、透水層に生じる流水

③ 内容量

内容重量をグラムもしくはキログラムの単位で、又は内容体積を、ミリリットルもしくはリットルの単位で、単位を明記して記載すること。

④ 賞味期限

賞味期限、未開封の状態で品質が保たれる期間が表記される

⑤ 保存方法

「直射日光を避けて保存してください」等と記載されている。
例えば、コントレックスの場合は「直射日光・急激な温度変化・強いにおいを避け、清潔で乾燥した涼しい場所に保存してください」と細かく記載されています。

⑥ 採水地

都道府県、郡、市、区及び町村を記載すること。輸入品の場合は、国名が記載される。

⑦ 製造者

製造者の住所、氏名が表記される。輸入品の場合は、輸入者の住所、氏名が表記される。

以上の7項目が、ラベルに表示が義務付けられている項目です。

この中で私は、1の「品名」と2の「原材料名」に注目しています。
お料理などに使う場合はそこまで細かいこだわりはあまりないのですが、 “飲料水”としてそのまま水を飲む場合、まず「品名」では、ナチュラルミネラルウォーターと明記されているものを選ぶようにしています。

そして、「原材料名」では、その水の内容、「水」と書かれた後ろの括弧書きの部分。もちろん「ナチュラルミネラルウォーター」と書かれたものの原水はすべて地下水ですが、それ以外の「水」と書かれたあとの部分が、鉱水なのか鉱泉水なのかなどもチェックポイントです!

「水の違いがイマイチよく分からない…」そんな人こそラベルに注目!

今世の中には本当に多くの水が流通しています。
あまりにたくさんあるので、
「どれを選べばいいんだろう?」
「お水はどれもあまり変わらないだろう…」
と思っている方も多いと思います。

手始めにまず、ラベルに表示が義務付けられた項目に注目して選んでみてはいかがでしょうか?
ちょっとした違いや特徴が分かってくると、いつも買っているペットボトルの水を選ぶことも楽しくなりますよ。

野中智子

 

NHK長野放送局と千葉放送局で契約キャスターを務めたのち、現在はフリーアナウンサーとして活動中。

アクアソムリエとしては、第一期のメンバーとして資格を取得。水の専門家としての一面も持ち合わせている。

【監修者】中倉大吾

株式会社スタークラフトの代表取締役社長を務めながら、水のスペシャリスト「アクアソムリエ」としても活動する。2013年5月からウォーターサーバーの比較メディアを運営開始。10年以上にわたってウォーターサーバー業界を見てきた豊富な知見を生かし、2019年にはより総合的でユーザーに寄り添ったウォーターサーバー比較サイトとして「水ナビ(当サイト)」を立ち上げる。また宅配水業界における正しい情報発信を推進するため、一般社団法人「日本宅配水&サーバー協会(JDSA)」の協賛会員に加盟。
※アクアソムリエは、日本アクアソムリエ協会の認定資格です。著者の所有資格について、詳細はこちらをご覧ください。またこちらからアクアソムリエ協会のプロフィールもご覧になれます。