アクアソムリエが教える!明日からのお水選びに使える小話

こんにちは、アクアソムリエの鶴田雅人です。

アクアソムリエは、一般社団法人 日本アクアソムリエ協会が認定している資格で、2009年に資格を取得してから様々な活動をしてきました。

現在は、テレビや雑誌などのメディアを通じて水やミネラルウォーターに関する情報を発信し、ミネラルウォーターを取り巻く環境を盛り上げていこうと奮闘中です。さて今回は、知っているとちょっとだけ便利な、明日からのお水選びに使える小話を書き連ねてみました。

あまり難しく考えず、興味のある項目だけでも目を通してもらえると嬉しいです。

鶴田雅人

日本アクアソムリエ協会認定 アクアソムリエマイスター・公認講師。 水の味の違いに興味を持ち、国内外のミネラルウォーターを飲み比べている。 日本テレビ系列「月曜から夜ふかし」、 フジテレビ系列「99人の壁」など、メディアにも多数出演。

Twitter:https://twitter.com/aquasomme

炭酸水は2種類ある

コンビニやインターネットショッピングで、炭酸水を買う方、たくさんいらっしゃると思います。

選ぶときに少し意識してほしいのが、「炭酸水は2種類ある」です。

  • A)ミネラル成分を除いた、純水ベースのもの 
  • B)ミネラル成分を含んだもの   

Bはさらに、天然のミネラルが入っているものと、人工的にミネラルを添加したものとがあります。 一般に、炭酸ガスの強さについては、Aの純水ベースのものの方が強いです。

ガスの強さを求めたい方はAを、 美容や健康、お水の味わいも楽しみたい方は、Bの天然のミネラルのものを選んでみてください。

Aの代表的なものは、赤いラベルのウィルキンソンです。

Bの天然のミネラルのものは、ペリエやサンペレグリノ、ゲロルシュタイナーなど、海外のミネラルウォーターが多いです。

ウォーターサーバーのお水も2種類ある

炭酸水と同じように、ウォーターサーバーにも2種類のお水があります。

  • A)ミネラル成分を除いた、純水ベースのもの(RO水などと呼ばれます) 
  • B)ミネラル成分を含んだもの 

Bはさらに、天然のミネラルが入っているもの(天然水)と、人工的にミネラルを添加したものとがあります。

価格としては、Aの純水ベースのものの方がお手頃なことが多いです。

また、赤ちゃんの粉ミルクが溶けやすいという利点もあるようです。

ただ、Bの天然のミネラルが入っているものであっても、軟水であれば(日本のサーバーは温泉水や九州の一部を除いて、ほぼすべてが軟水です)、粉ミルクに使って問題ありません。
私も軟水の天然水で粉ミルクを作っていました。

美容や健康、お水の味わいの面では、Bの天然水のものに軍配が上がるので、用途やコスト、サーバーの機能なども考慮して、選んでみてください。

ヨーロッパのミネラルウォーターは殺菌をしていない

日本とヨーロッパ(正確にはコーデックス基準の地域)では、同じようにミネラルウォーターと呼ばれるものでも、お水としての成り立ちや処理が違います。

日本のミネラルウォーターでは殺菌が前提となるのに対し、ヨーロッパのミネラルウォーターは基本的に無殺菌・無除菌です。

なぜそれが可能かと言うと、採水地の環境保護が義務づけられており、水源があらゆる汚染の可能性から隔離されているためです。

土地柄や文化の違いもあるでしょうが、そのため、ヨーロッパのミネラルウォーターの方が水質は高いと言われています。 とは言え、日本にも良いお水はたくさんあります。

日本の水なら「ナチュラルミネラルウォーター」がおすすめ

日本の水なら「ナチュラルミネラルウォーター」がおすすめです。

ラベルの「品名」の部分に書いてあるので、値段よりも、この表示で選んでみてください。

「品名」の欄には大きく分けて4種類のどれかが入るんですが、ひとまず「ナチュラルミネラルウォーター」だけ覚えてもらえれば。

い・ろ・は・すとサントリーの天然水は、地域によって中身が違う

今の日本でナショナルブランドと言えば、この2つだと思います。 それぞれ、販売地域によって中身(採水地)が違うことは知っていますか?

青いボトルのサントリー天然水は、南アルプス(山梨)・奥大山(鳥取)・阿蘇(熊本)と3つの採水地があり、地域によって販売されている商品が違います。(近い将来、北アルプス(長野)も増える予定です)

緑のボトルのい・ろ・は・すは全国で7つの採水地があり(北海道、岩手、富山、山梨、鳥取、宮崎、熊本)、同じように、地域によって異なる商品が販売されています。

両社の製品を手に取ったら、ぜひラベルの裏の採水地を確認してみてください。

名水百選には、飲めないものも多い

「名水百選」と聞くと、いかにも美味しい水をイメージすると思います。 しかしこれ、実は飲めないものも多く含まれています。

川など、水環境として豊かである、みたいなものも含まれているんですね。

「名水百選」は昭和60年に選定されたものですが、平成20年に新たに選定された「平成の名水百選」も、同じように飲めないものも含まれています。

きちんと管理された新鮮な湧き水は、ミネラルウォーターよりも美味しい

もちろん好みはあります。 が、私が子供のころにはじめて美味しい!と思ったのは、名水百選でも選ばれているうちの一つの湧き水を、湧いているその場で飲んだ時のことでした。湧き水特有のフレッシュな清冽さが非常に強烈で、お水ってこんなに美味しいんだ、と今でも印象に深く残っています。

日本のミネラルウォーターだと、たいていの場合、どうしても殺菌処理を経てしまうので、安全さが担保される反面、この清冽さは影をひそめてしまいます。

また、ヨーロッパのミネラルウォーターのように殺菌処理をされていない場合でも、ボトリングからの時間の経過や、仕方のないことですが容器に詰めることにより、本来の味は少し薄れてしまいます。

同じミネラルウォーターでも、容器により味が異なる

容器の話を少し。ミネラルウォーターの代表的な容器としては、ペットボトル、ガラス瓶、缶、BIB(バッグインボックス)、パウチ、紙パックなどがあります。 例えば水素水は、水素が抜けないようにするためにパウチ容器に入っていたりしますね。

ただし、そうした機能的な例外を除いて考えた場合、同じミネラルウォーターなら、ガラス瓶のものが間違いなく一番美味しいです。

他の素材の場合、どうしてもわずかな臭い移りが気になったり、また品質の劣化も、密閉されたガラス瓶に比べると早かったりします。

よく、レストランなどでガラス瓶のミネラルウォーターがサーブされるのは、見た目の問題もあるでしょうが、それ以上に味が良いからではないか、と個人的には思っています。

明日から出来る、ミネラルウォーターのテイスティング

もし、少しでもお水に興味が出てきたなら、一度テイスティングをやってみてください。 決して難しくありません。簡単なやり方を説明します。

【用意するもの】

ミネラルウォーター(3種類くらいがベスト)

同型のガラスコップまたはプラスチックカップ

一人でもいいですが、出来れば一緒にテイスティングをやってくれる人

お水はなんでもいいです。できれば軟水・中硬水・硬水と、硬度の違うものを揃えるのがベストですが、なかなか手に入らないかもしれないので、スーパーやコンビニで売っているラベルの違うものが3種類あればそれで構いません。

コップもガラスの方がお水の味が分かりやすいですが、同じ形で揃えられなければ、これもコンビニで売っているプラスチックカップ(100ml前後入れば十分です)でいいです。

テイスティングは一人でやってもいいんですが、人により感じ方が異なるので、出来れば2人以上であれこれ言いながらやるのがベストです(その際、相手の意見はちゃんと聞きつつも、自分の印象は大切に、引っ張られないように気を付けてください)。

お水が1種類だと、絶対的な評価を下すことはかなり難しいです。 でも、何種類かを比べることで、「こっちのほうが軽い」「こっちの方がまろやか」といったような印象は出てくるかと思います。

ぜひ、その感覚をつかまえて、「お水の味って違うんだ」というのを実感してみてもらえると、嬉しいです。

鶴田雅人

日本アクアソムリエ協会認定 アクアソムリエマイスター・公認講師。 水の味の違いに興味を持ち、国内外のミネラルウォーターを飲み比べている。 日本テレビ系列「月曜から夜ふかし」、 フジテレビ系列「99人の壁」など、メディアにも多数出演。

【監修者】中倉大吾

株式会社スタークラフトの代表取締役社長を務めながら、水のスペシャリスト「アクアソムリエ」としても活動する。2013年5月からウォーターサーバーの比較メディアを運営開始。10年以上にわたってウォーターサーバー業界を見てきた豊富な知見を生かし、2019年にはより総合的でユーザーに寄り添ったウォーターサーバー比較サイトとして「水ナビ(当サイト)」を立ち上げる。また宅配水業界における正しい情報発信を推進するため、一般社団法人「日本宅配水&サーバー協会(JDSA)」の協賛会員に加盟。
※アクアソムリエは、日本アクアソムリエ協会の認定資格です。著者の所有資格について、詳細はこちらをご覧ください。またこちらからアクアソムリエ協会のプロフィールもご覧になれます。