鶴田雅人
日本アクアソムリエ協会認定 アクアソムリエマイスター・公認講師。 水の味の違いに興味を持ち、国内外のミネラルウォーターを飲み比べている。 日本テレビ系列「月曜から夜ふかし」、 フジテレビ系列「99人の壁」など、メディアにも多数出演。
Twitter:https://twitter.com/aquasomme
こんにちは。アクアソムリエの鶴田雅人です。
冬ですね。毎日寒いですね。みなさまはいかがお過ごしですか。
在宅勤務の方も多いとは存じますが、通常ですと、家を出て駅までたどり着く頃には体が冷えてしまって、自動販売機の温かい飲み物をまずは一口…というライフスタイルの方もいらっしゃるかと思います。
かく言う私もその一人で、本当はお水が飲みたいのですが、さすがに冷えた体に冷えたお水は辛いため、やむなく温かいものを買うことが多いです。
(余談ですが、本当に寒い日などは、温かい飲み物のある自動販売機が、RPGのセーブポイントのように見えます(笑))
さて、温かいもので何を買おうか、です。個人的に私の場合ですと、なるべく飲み物でカロリーを摂らないようにしているので、お湯…と言いたいところですが、お湯はほぼありません。
ならば、カフェインもなるべく摂らないようにしているので、麦茶…と言いたいところですが、これも冬はあまり人気がないようで、あったりなかったり、安定しません。
次に、と来るのが、温かいほうじ茶です。緑茶に比べると低カフェインですし、これは人気もあって、大体どのメーカーにもあります。
お湯>麦茶>ほうじ茶。
とまあ、大体冬はこんな感じで自販機で買ってます。
(もちろん、家では常温のお水を飲んでます)
で、ふと思いました。
自動販売機って、大まかには1ロケーションに1台のため、飲みたいタイミングで、そこに設置されているメーカーのものを飲むしかないです。
でも場所が駅だったり、都会だったり、はたまたハッピードリンクショップ(※甲信限定)だったりすると、複数のメーカーのものが並んでいます。
そこではじめて、はっとするわけです。
「あれ、どのメーカーのものが美味しいんだろう?」
もちろん、何をもって「美味しい」とするかは人それぞれです。
おまけに私の本職は水のソムリエで、お茶の専門家ではないです。
(余談ですが、「日本茶アドバイザー」という資格を一応持ってはいます。が、お茶に関してはさらに上級の資格がありますし、知識もアップデートしていないため、あまり有益なことは言えないと思います)
ただ、日々お水のテイスティングをしていて思うわけです。
味の違いは分かるのですが、それを言語化することの、なんと難しいことか、と。
お水には香りはありません。酸味もほとんどないです。微かな甘み、塩味、苦味、そういうものの中で勝負をしているわけです(好きでやっているので、全然苦ではないのですが)。
これがお茶だと、まず香りがあります。
次いで甘味、苦味、酸味…とはっきり特徴があるわけです。
(本当は色もあるのですが、今回はペットボトルに限定するため、評価しません)
前置きが長くなりましたが。
と、いうことで今回は、ほうじ茶さんの土俵をお借りして、「市販のペットボトルのほうじ茶、どこが一番美味しいか?」をやりたいと思います。
アクアソムリエが選ぶおいしいほうじ茶ランキング
繰り返しになってしまいますが、私はお茶の専門家ではないので、「あくまで個人の好みのランキング」ということで、ひとつよろしくお願いします。
さてさて、評価軸は次の通りとしました。
この4つを基準に、
・総合的なおいしさ(バランスを含む)
を勝手に付けていきます。
(※あくまで私個人の感じ方なので、味覚センサーなどの機械にかけると、また違う結果が出ることもあろうかと思います)
エントリー商品はこちら。
アサヒとダイドー機では、ほうじ茶があまり安定して入っていないようなので、割愛としました。
テイスティングの方法は、「温かい」飲料なので、どれも40度ほどの温度に統一して飲みました。
また、これをコップに移し替えて飲む方はあまりいないと想定して、あえてペットボトルのまま味わい、評価しました。
それでは、勝手に1位からご紹介します!
1位 伊藤園 お〜いお茶 ほうじ茶
総合的なおいしさ | (5) |
味のバランス
香り | 3 |
甘味 | 5 |
酸味 | 2.5 |
苦味 | 2 |
甘みがとても強く感じられました。
香りも甘い印象で、
全体の味のバランスが取れた上に、甘みが乗っている感じです。
甘いといっても嫌な甘さではなく、自然な甘み。
甘みのあるほうじ茶が好きな人は、これがおすすめです。
私は味覚の嗜好として、甘い(砂糖ではなく、自然な風合いの)お茶が好きなので、これがベストバイでした。
2位 ポッカサッポロフード&ビバレッジ 加賀棒ほうじ茶
総合的なおいしさ | (4.5) |
味のバランス
香り | 5 |
甘味 | 4 |
酸味 | 3 |
苦味 | 1 |
僅差の2位。
加賀棒ほうじ茶は歴史のあるブランドで、いくつかのメーカーからおいしいお茶が出され、成城石井などでもよく売っています。
棒ほうじ茶はお茶の茎の部分を使用するので、味や香りが良いとされています。
香りが非常に良く、比較した中で一番良かったです。ダージリン系の紅茶のような芳しい香りがありました。
甘味も強く感じられました。
また、苦味が最も弱く感じられたのも特徴です。
私は甘みのあるほうじ茶が嗜好として好きなので、伊藤園のものを1位としましたが、こちらの方が好き!という方もたくさんいらっしゃるかと思います。
3位 キリン 生茶 ほうじ煎茶
総合的なおいしさ | (3) |
味のバランス
香り | 2 |
甘味 | 3 |
酸味 | 2 |
苦味 | 3 |
この冬の新商品です!
生茶ブランドから、満を持してほうじ茶が出ました。
ぜひとも来年以降も定着してほしいです。
生茶ブランドは、「生茶葉抽出物」が成分として入っているのが特徴です。
第一印象として、少し紅茶のような味わいと香りが感じられました。
ただ、突出した味やうまみはなく、平均的/均質的な感じを受けました。
4位 コカ・コーラ 綾鷹 ほうじ茶
総合的なおいしさ | (3) |
味のバランス
香り | 2 |
甘味 | 2 |
酸味 | 3.5 |
苦味 | 4 |
こちらは上の3つと比べると苦く、渋みが感じられました。大人の味、といったところでしょうか。
甘味はさほど感じられません。
甘いほうじ茶でなく、少しビターなテイストが欲しいときにはマッチすると思います。
私は、「朝自販機で一息つく」シチュエーションを想定しているので、少し順位を低く付けていますが、「食事に合わせるなら」一気に上位に来るテイストだと思います。
味わいに不自然な点はなく、適度な苦味や渋みが口をすっきりさせてくれそうです。
5位 サントリー 伊右衛門 焙じ茶
総合的なおいしさ | (2.5) |
味のバランス
香り | 3 |
甘味 | 2 |
酸味 | 5 |
苦味 | 2 |
酸味が強いです。
香りもなかなかに良いですが、甘い感じではなく、香ばしい系です。
バランスとして酸が抜けているので、その味が好きな人にはおすすめ。
コーヒーの場合、よく酸味は「〇〇のフルーツのよう」などと喩えたりすることがあるのですが、今回はフルーツ系の酸味というよりは、本当にけっこう酸が強いな、と感じました。
ただ、これは私が試した温度にもよるのかもしれません。酸味は温度によって出る、出ないと感じ方が結構違うので、気になった方は試してみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
飲み物は、どれもそうですが、「一種類だけだと味の違いがわかりづらい」です。
気になったものがあったら、二種類くらい買って、少し贅沢ですが、同時に開けて飲み比べてみてください。味の違いが感じられると思います!
追記
この記事を書いている最中に、家の近所の自動販売機から、ほうじ茶が消えてしまいました…(コーヒーになっていました)。
もちろん1番はお水でありミネラルウォーターですが、この記事を読んで、ほうじ茶を手に取っていただける方がわずかでも増えることを祈っています(笑)。
鶴田雅人
日本アクアソムリエ協会認定 アクアソムリエマイスター・公認講師。 水の味の違いに興味を持ち、国内外のミネラルウォーターを飲み比べている。 日本テレビ系列「月曜から夜ふかし」、 フジテレビ系列「99人の壁」など、メディアにも多数出演。