テーマパークの中に酒蔵!?観光酒蔵としてチャレンジを続ける「宗政酒造」

鮮やかな赤や藍の絵付けが見るものを魅了する有田焼が有名な佐賀県有田町。

豊かな自然に恵まれた土地に車を走らせると、現れたのはヨーロッパの宮殿!?

ユニークな有田焼(陶磁器)のテーマパークの中にある宗政酒造さんは、焼酎を中心に日本酒やビール、リキュールと幅広くお酒造りを行っています。

商品の魅力や有田町の恵まれた環境について、管理部課長の松尾さんにお話を伺いました。

宗政酒造株式会社

担当者 松尾勝己さん

管理部課長

若い酒蔵?実は歴史があるんです

宗政酒造は、昭和60年10月に陶磁器の里・佐賀県伊万里市で創業しました。

2024年に創業40年を迎える若い酒蔵ですが、ルーツは120年程さかのぼります。

なんと、広島県で宗政家の先祖が酒蔵を営んでいたというのです!

松尾さん

先の大戦で資料が消滅して幻の酒蔵となってしまいましたが、1895年の大火で焼失するまで、戦国大名・毛利元就の出身地だった広島県安芸高田市で酒蔵を代々営んでいたそうです

一度は途絶えた酒蔵が佐賀県に場所を移し、よみがえった宗政酒造。第二次焼酎ブームの真っ只中に看板商品・焼酎「のんのこ」を発売し、現在では日本酒やビール、リキュールも製造販売しています。

松尾さん

いろんな種類のお酒を造っている酒蔵は実は少ないんですよ。現在は焼酎の製造が9割を占めていますが、日本酒「宗政」をはじめ他のお酒にも力を入れていきたいと思っています

現在は有田町にあるテーマパーク「有田ポーセリンパーク」に場所を移し営業している

原料は佐賀県産にこだわり

麦や米、そして水。お酒造りに欠かせない原料のほとんどを地元佐賀県産のものを使っている宗政酒造さん。

多くの酒蔵が海外産の麦を使って焼酎を造っている中、宗政酒造さんは佐賀で作られた二条大麦を使用して焼酎を造っています。

松尾さん

佐賀県は全国で1・2位を争う二条大麦の産地なんです。日本酒には同じく佐賀県産のお米・山田錦を使用しています。酒造りで大事な水は黒髪山から注がれる岩清水が源となっています

純米酒と本格焼酎を対象に佐賀県が審査して、佐賀県産原料を100%使用した品質の優れた製品にのみ認定する「佐賀県原産地呼称管理制度」に認められており、安心して佐賀県の恵みを堪能することができます。

広大な麦畑と黒髪山

まろやかな軟水は九州の甘口のお酒に最適

清酒や焼酎の仕込水や割水に使われるのは、古来より霊場として知られている標高516mの黒髪山から湧き出る軟水です。

水源の森百選に選ばれ、数千種類の植物が自生する山を育むきれいな水を使うことで、滋味深くまろやかな口当たりのお酒が作れるのだとか。

松尾さん

醤油もそうですが、佐賀のお酒は基本的に甘口。黒髪山の軟水はそんな佐賀の日本酒と相性がとてもいいんです

そうして作られたのが、日本酒度-15と超甘口の「日本酒 宗政純米吟醸酒-15」です。

ここまで甘いお酒は珍しい」と松尾さんが言うように、とてもフルーティーで飲みやすく、日本酒初心者や女性にオススメ。

松尾さん

香りがよくて食欲をそそるので、ぜひ食中酒として飲んでみてください

2015年と2021年にはロンドンの品評会でトロフィーを受賞した

有田焼とお酒を楽しめるテーマパーク・有田ポーセリンパーク

陶器の町として全国的に有名な有田町は、同じく洋食器で有名なドイツのマイセンと陶磁器を通じた交流がありました。

そんなドイツのドレスデンにある宮殿を模して造られた陶器のテーマパーク・有田ポーセリンパークがあります。

バロック建築の建物や庭園はとても美しく、そんな優雅な空間の中に、宗政酒造は酒蔵を構えています。

松尾さん

映画やCMの撮影に使われることがあり、コスプレの聖地としても知られています

有田ポーセリンパークでは、陶磁器やお酒に関するさまざまな体験をすることができます。

ここでしか買えないお酒もあり、海外のお客さんには特に梅酒が人気なのだそう。

みやげ屋「蔵」には無料の試飲コーナーもあるので、いろいろなお酒を飲み比べられるのがうれしいですね。(※運転者の飲酒はご遠慮ください)

有田ポーセリンパークは入園無料で楽しめる
酒蔵見学も無料で行える。ただし予約が必要なので注意。

焼酎「のんのこ」を軸に幅広いラインナップ

松尾さんに一押しの銘柄をたずねたところ、創業当初からの看板商品である焼酎のんのこの名前が挙がりました。

特に「焼酎 のんのこ THE APPLE」に力を入れているとのこと。

松尾さん

吟醸香が特徴の香り系酵母と、当社オリジナル麹菌を使用して仕込んだ麦焼酎に米焼酎をブレンドすることで、青りんごのような香りを実現しています

麦焼酎に米焼酎をブレンドすることで、日本酒の吟醸酒のような香りが感じられるそうです。

炭酸水やトニックウォーターで割って、香りを楽しみながら味わいたいですね。

創業当初から愛され続けている看板商品

「酒創豊世(しゅそうほうせい)」を掲げて、宗政酒造のチャレンジは続く

宗政酒造のコンセプトは「酒創豊世(しゅそうほうせい)」。

新たな発想を元にチャレンジすることを大切にしており、近年は海外輸出にも力を入れているそうです

松尾さん

現在はアメリカや中国、台湾を中心に14~15ヵ国に輸出し、フランスやスペインなどのヨーロッパにも進出しています。ジャパニーズサケ、ジャパニーズショウチュウは浸透してきているなと感じていますね

海外の品評会でも入選するなど、国内外を問わず高い評価を得ている宗政酒造ですが、一番大切にしていることは地元・有田の人に愛されることだと言います。

松尾さん

人が集まる場づくりを積極的に開いています。毎年3月に蔵開きを行ったり、有田陶器市に出店したり。これからもさまざまなイベントを開いていきたいです

美しい陶磁器をじっくり眺めた後に、お土産を買って、地酒を飲む。

そんな最高な休日の過ごし方が叶う宗政酒造さん。

「飲みにケーション」で大切な人との絆を深めに、ぜひ訪れてはいかがでしょう。

宗政酒造株式会社

〒844-0014 佐賀県西松浦郡有田町戸矢乙340番地28
TEL:0955-41-0020  
FAX:0955-41-0021

この記事の執筆者

尾西 美菜子

印刷会社の企画編集部門でライターとして数年働いたのち、医療業界へ転職。現在は歯科助手として働きながら、フリーライターとしても活動する。趣味は御朱印集め、サッカー観戦、読書。

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