伊勢神宮だけじゃない。離島や河崎のまちなみも魅力の伊勢志摩観光

三重県中部の伊勢市・鳥羽市・志摩市・度会郡近辺のエリアにある伊勢志摩。

観光といえば、多くの人は伊勢神宮を思い起こすかもしれません。

しかし、伊勢志摩には他にも魅力的な観光地がたくさんあります。

例えば、有名な夫婦岩をはじめ、世界で初めて真珠の養殖に成功したミキモト真珠島や歴史的スポットのある答志島、江戸時代の街並みを体験できる河崎のまちなみ、など。

アクティビティでは、カヤック、滝行、スカイダイビングなどの体験にも参加できます。

今回は、公益社団法人伊勢志摩観光コンベンション機構の山本瑞記さんに、伊勢志摩観光の魅力についてインタビューしました。

公益社団法人 伊勢志摩観光コンベンション機構

山本 瑞記 さん

伊勢志摩の魅力

──伊勢志摩観光コンベンション機構のお仕事について教えてください。

山本瑞記さん(以下、山本さん) 伊勢志摩は三重県伊勢市・鳥羽市・志摩市・南伊勢町並びに周辺地域の枠を超えたエリアです。

公益社団法人伊勢志摩観光コンベンション機構では、官民一体となってさまざまな観光振興事業を展開しています。地域経済の活性化及び文化の向上に寄与することを目的としています。

──伊勢志摩の魅力について教えてください。

山本さん 日本人の「心のふるさと」伊勢神宮がご鎮座する伊勢志摩は、日本の自然と伝統が調和した魅力的な地域です。

美しいリアス海岸線、海女文化、新鮮な海の幸、伝統的な祭りなど様々な魅力があります。訪れると、日本の文化と美しさを満喫できるでしょう。

また、名物伊勢うどんやてこね寿司、赤福などグルメもたくさん味わえます。

伊勢志摩観光の魅力は多く、一度の旅行ではなかなか満喫しきれないのではないでしょうか。

どこを観光しようか迷われた方は、当機構が運営するホームページ『伊勢志摩観光ナビ』の、「旅のテーマから探す」のコーナーを参考に旅の予定を立ててみてください。

さまざまな島のアクティビティ

──伊勢志摩には、離島が多くありますが、おすすめの離島がありましたら教えてください。

山本さん さまざまな離島があるなかでも、答志島(とうしじま)は、歴史的スポットが数多くある鳥羽湾最大の離島です。鳥羽港から北東約2.5㎞の沖合に浮かぶ伊勢湾最大の離島なんですよ。

迷路のような路地を抜けると、島文化に触れることができます。

答志島には3つの集落があり、島民の多くが漁業に携わっています。海上安全や大漁を祈願するお祭りや、古い慣習も残っています。

島民から、答志島ならではの話を聞くことも旅の楽しみのひとつになるでしょう。

島には、展望台『レイフィールド』や『サンシャインビーチ』の砂浜があるので、観光地としても楽しめますよ。

──夫婦岩についてお聞きしたいと思います。夫婦岩とはどのような場所ですか。おすすめする時期や時間はありますか?

山本さん 夫婦岩は、大注連縄で太く堅く結ばれた二つの岩(男岩、女岩)を夫婦岩と呼びます。

夫婦岩は夫婦や、カップル等恋愛の象徴とされており縁結びのシンボルとしても有名です。

5月から7月は、夫婦岩の間から昇る朝日を見ることができるでしょう。また、11月から1月の満月の夜は、夫婦岩の間から昇る月を見ることができます。

インスタ映えする写真撮影ができるのではないでしょうか。

──島といえば、ミキモト真珠島もありますね。

山本さん ミキモト真珠島は、世界で初めて養殖真珠が誕生した島です。真珠のことを詳しく知ることができ、ショッピングやお食事も楽しめます。

また、海女さんの実演も行っています。

かつて、海女さんは、真珠の養殖にとってなくてはならない存在でした。現在、養殖技術が盛んになったことで必要性はなくなりましたが、ミキモト真珠島では当時着ていた白い磯着の海女さんを見ることができます。

貴重な機会ですので、ぜひご覧いただきたいですね。

他にも、学生向けに万華鏡やストラップ作りの体験を行っています。また、一般団体向けにハンドクリーム作り体験も行っているので、旅の記念にぜひ挑戦してみてください。

最近は、ヨーロッパや東南アジアのお客様も増えて人気の観光地となっています。

風情漂う河崎のまちなみ

──伊勢志摩には、河崎という風情漂うまちなみもあるようですね。

山本さん 伊勢の河崎は、室町時代中期に川のほとりの葦原(あしはら)を埋め立てて作られた町です。

江戸時代の河崎は、勢田川の水運を利用した貿易で発展しました。かつては「伊勢の台所(だいどころ)」として知られたほどです。

古い町並み、木造の建物、隅蓋などが特徴の観光客に人気スポットで、蔵のある町並み全体から歴史的な雰囲気に包まれます。

蔵を利用したカフェやショップが人気で、他にも伝統工芸品の店や地元の料理店が点在。楽しみながら日本の伝統文化を感じられるでしょう。

「伊勢河崎商人館」は江戸時代中期創業の老舗酒問屋を修復した施設で、600坪もの広さがある建物です。

当時の建物をそのまま残した母屋と茶室、蔵の資料室や応接間、庭園などがあり、明治時代から昭和まで製造販売されていたサイダーの「ろ過施設」もあります。

おすすめの体験と時期について

──おすすめの体験がありましたら教えてください。

山本さん 伊勢志摩地域では、様々なアクティビティが充実しています。

真珠の取り出し体験や、シーカヤック体験、シュノーケル、船釣りツアーがありますね。

また、伊勢志摩のパワースポットである白瀧大明神では、滝行体験と森のサウナがあり、心身ともにリフレッシュできるでしょう。

伊勢志摩の絶景を空から楽しむなら、スカイダイビングもおすすめ。

日本最高級の景色とスリルも味わっていただきたいですね。大自然を体で堪能できます。

鳥羽水族館は、子どもも楽しめるのでおすすめです。

──鳥羽水族館は、どのような水族館ですか。

山本さん 鳥羽水族館では、飼育種類数日本一、約1200種もの生きものを飼育しており、日本で唯一ジュゴンがいる水族館です。

12のゾーンがあり、毎日アシカやセイウチの愉快なショーも開催しています。

他にも、飼育動物を活用した研究活動や種の保全事業の取り組み、そして学生および知的探求心を持った人々に対する教育活動なども開催。

飼育展示を目的とした積極的な収集活動を行いながら、絶滅の危機に瀕した生き物の人工繁殖による種の域外保全にも力を入れています。

大水槽やサメ水槽のバックヤードだけでなく、飼育設備の裏側も見学できるツアーなども企画。水族館に興味を持っていただくような体験ツアーも開催されています。

──伊勢志摩旅行のおすすめの時期がありましたら教えてください。

山本さん 伊勢志摩地域では、春先に河津桜が見られるスポットがあります。

スポットは3つあり、大慈寺、宮リバー度会パーク、河村瑞賢公園です。

こちらは、三重県のなかでもひと足早く桜が開花するスポットですので、早春のお花見におすすめです。

他にも、伊勢市の宮川堤も、さくら名所100選にも選ばれた桜の名所です。

伊勢神宮外宮の宮川の堤で約1キロの桜並木「一目千本」が続きます。

その名の通り桜の数は約1,000本。ソメイヨシノにヤマザクラが見事に咲き誇り、多くの花見客や観光客で賑わいます。

夏には日本三大競技花火大会の1つ『伊勢神宮奉納全国花火大会』が開催。

こちらは、神宮に花火を奉納する唯一の大会であり、秋田県の大曲と茨城県の土浦の花火大会と並び、日本三大競技花火大会のひとつです。

2023年は7月15日に開催され、毎年比較的早い時期に開催されます。

冬には、10月頃から伊勢えび漁が解禁となります。

三重県は志摩半島を中心に、伊勢えびの漁獲量が多く、2021年では漁獲量176トンの全国第2位(※)

鳥羽・志摩・南伊勢町を含む伊勢志摩海域は、黒潮が運ぶ豊富な栄養と岩場が続き、海藻がよく育ちます。

魚介を育む最高の漁場であるため、ここで獲れる伊勢えびは 色・形が良く濃厚な味噌がたっぷり詰まっているのです。

この地の伊勢えびが日本一である所以です。ぜひ、ご堪能ください。

(※)参考:海面漁業生産統計調査|農林水産省

伊勢志摩地域へご興味をお持ちいただいた皆さまへ

──伊勢志摩へご興味をお持ちいただいた皆さまへ、メッセージをお願いします。

山本さん 伊勢志摩では、リアス海岸、新鮮な海の幸など自然豊かな場所が多く、自然を感じられるアクティビティがあります。

また、海女文化、伝統的な祭りなどの歴史や文化の「伝統」を学ぶこともできるでしょう。そして、お子様連れのご家族には、テーマパークも点在しています。

様々なスポットがありますので、伊勢志摩を堪能していただければ幸いです。

伊勢志摩の観光情報は「伊勢志摩観光ナビ」にて、イベント情報やスポットなどを随時更新していますので、訪れる際にご参考ください。

公益社団法人伊勢志摩観光コンベンションの公式サイト『伊勢志摩観光ナビ』では、さまざまな伊勢志摩観光の魅力が紹介されています。ぜひご覧ください。

公益社団法人 伊勢志摩観光コンベンション機構

〒519-0609 三重県伊勢市二見町茶屋111-1 伊勢市二見生涯学習センター1F
TEL:0596-44-0800 
FAX:0596-42-2929

この記事の執筆者

荒川 あい子

ライター。地域情報サイト、医療系記事を中心に執筆中。最近の趣味は旅行、映画鑑賞、読書(主に映画評論、SF小説)

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