クリタックが「家庭でPFOS・PFOAの除去ができる浄水器」を開発しました!水道水を飲みたいと思える生活を実現

「PFAS(ピーファス)」という言葉を聞いたことはありますか?

PFASとは「有機フッ素化合物」の総称です。近年、一部の地域で水道水に含まれるPFASの量が多く検出され、不安を感じている方の声が多く上がっています。

PFASは1万種類以上存在するとされ、特に「PFOS(ピーフォス)」「PFOA(ピーフォア)」という2つの物質は、欧米では発がん性や子どもの成長への影響などが報告されています。

こういった状況から、家庭用・業務用浄水器などのメーカーであるクリタック株式会社が、このたびPFOS・PFOAを除去できる家庭用浄水器の製造・販売をスタートさせます。

 今回、クリタック株式会社 営業本部 企画開発部 企画開発課の木戸 秀さんにお話を伺いました。

クリタック株式会社

木戸 秀さん

営業本部 企画開発部 企画開発課 課長

クリタックはどんな会社?

──最初に、企業紹介をお願いいたします。

木戸 秀 さん(以下、木戸さん) クリタック株式会社(以下、クリタック)は、クリタグループの中でも「生活に密着した業務用・家庭用製品」を主に提供している会社です。

弊社は皆様のライフスタイルに関わる豊かな社会づくりに貢献するため「ライフスタイルに関わる水を究明し、豊かさを担う最高の価値を創造する」という企業理念に基づき、水に関わる製品・サービスの提供を通じ、水処理の専門家として水を知り尽くしたクリタグループの一員として培ってきた技術を活かして、家庭用・業務用の浄水器などの製造・販売を中心とした事業を展開しています。

最近ではワンちゃん・ネコちゃん・うさぎさん用の浄軟水器なども取り扱っています。

従業員は派遣社員も含めて現在43名で経験者採用の割合が多く、様々な経歴を持った人が集まっているような会社です。結構ざっくばらんとした雰囲気で、活気がありますよ。

純水器「エアペットプラス」
ろ過蛇口「クリペットFB」
猫用浄軟水器 まるっと軟水にゃんたま(犬用も取り扱い有)
蛇口直結型浄水器「ロカシャワー」シリーズ(写真は首振りタイプ)

PFASの除去ができる新製品「POWER BLOCK 01」が登場

──ではさっそく、新製品についてご紹介いただけますか。

木戸さん PFAS(ピーファス)除去浄水器「POWER BLOCK 01」は、水道水中の15項目に加えてPFOS(ピーフォス)・PFOA(ピーフォア)の2項目を80%以上除去できる、使い切りタイプの浄水器です。

また、シャワー使用時の節水効果は最大約40%で、1日10L使用時での交換目安は約3ヵ月となっております。

「POWER BLOCK 01」浄水能力(JWPA基準)

PFOS 総ろ過量 900L 除去率80%※
PFOA 総ろ過量 900L 除去率80%※
※浄水器協会(JWPA)で定められた規格基準(JWPAS B 基準)の試験方法に順守

PFAS除去浄水器「POWER BLOCK 01」(2023年12月上旬より発売)

──PFASに対して不安を感じている方からの要望が多く届いていたことが、開発に至ったきっかけですか。

木戸さん そのとおりです。私たちの営業先は、主にお客様とクリタックの中間になる業者の方になりますが、そこから「PFASの除去ができる浄水器を作って欲しい」という声が多く上がってきていました。

また、社内からも「業務用・家庭用問わずお客様から製品化を希望する声を直接いただいているので、早く進めてほしい」といった意見も多く出ていましたね。

PFAS(ピーファス)

有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル 化合物の総称。

PFAS の中でも、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)は半導体用反射防止剤・レジスト、金属メッキ処理剤、泡消火薬剤など、PFOA(ペルフルオロオク タン酸)は、フッ素ポリマー加工助剤、界面活性剤などに使われている。

PFOS・PFOA には「難分解性」「高蓄積性」「長距離移動性」という性質があるため、現時点では世界中に広く残留しており、環境や食物連鎖を通じて人の健康や動植物の生息・生育に影響を及ぼす可能性が指摘されている。

なお、国は2020年にPFOS・PFOAを水質管理目標設定項目に位置付け、合算して50ng/L以下とする「暫定基準値」を定め、この値を超過しないよう水道事業者に管理をお願いしているほか、PFOS・PFOAの輸出・輸入禁止や、消防機関などには使用に関して厳格な管理の義務付けなどの措置を取り対応している。

(参考:環境省HP https://www.env.go.jp/content/000150400.pdf)

──開発において大変だったことは何でしょうか。

木戸さん

まず、製品試験をする第三者機関の選定が大変でした。

PFASの除去能力を検査できる機関というのがそもそも少なく選定に時間がかかり、実際の試験には1〜2ヶ月の時間を要します

また、その結果を受け製品を改良し、再検査に至るまでもある程度の時間を要するので、結果的には約半年かかってしまいました。

2つめは試験に関する規格基準や性能の表示方法を法律面などもクリアするため、法律の専門家に相談したり、行政機関に確認を依頼したことが大変でした。

──他メーカーと比較した際の「POWER BLOCK 01」の強みは何だと考えますか。

木戸さん

お客様が気軽に使っていただけるように、蛇口直結型・使い切りのタイプにしたという点です。

蛇口直結型は、蛇口の先端部分に取り付けるだけで簡単に使用でき、大変手軽です。また、使い切りタイプはカートリッジ交換をする必要がないですし、衛生的にお使いいただけると考えております。

また、比較的お手頃な価格になっていると思いますのでお客様が気軽に使い続けていただけるような製品になるとうれしいです。

──どこで購入できるのでしょうか。また、定期購入などはできますか?

木戸さん

現時点では、楽天の自社ECサイト(クリタック公式 楽天市場店)での販売を考えております。定期購入という形は取っていませんが、お客様の好きなタイミングで購入していただければと思います。

──ちなみに、各自治体の浄水場などでPFAS対策は実施されているのでしょうか。

木戸さん 自治体によってそういった動きはあるようですが、弊社でも詳しくは把握しきれていない状況です。

海外ではすでにPFASに関する規制を実施し始めているところもあるので、いずれ日本でもそういった流れになっていく事も想定されると思われます。

──ではやはり、現時点でPFASの影響が気になる場合は、個人で対策をするしかないと言えそうですね。

木戸さん

はい。少しでも早くこの製品をお客様に届けて、日常生活での不安を弊社の商品を通じて少しでも取り除き、おいしいお水が飲める暮らしをしていただきたいと思っています。

蛇口直結型の浄水器を実際に体験!

このたび、クリタックさんのご協力を得て蛇口直結型の家庭用浄水器(POWER BLOCK 01ではないもの)の使用体験をさせていただきました。

今までは他社製のポット型のものを使用しており、時期が来たらカートリッジを交換する方式しか経験してこなかったので、実際に使用するメリットを大きく感じました!

メリット① 使い勝手がとても良い

今までは毎回ポットに水を汲んだ後、カートリッジから水が落ちるまでの間少し待つ必要がありましたが、蛇口直結の浄水器は蛇口をひねればすぐに「飲みたい時に、飲みたいだけ」美味しい水が飲めます。

また、ポット型の場合は時々ポット本体を洗う必要がありますが、蛇口直結型はその手間がかかりません。また、使い切りのタイプであればカートリッジを交換する必要もなくなります。

少しでも家事の負担を少なくしたいと考える方に、大変おすすめしたいと思いました。

メリット② 味が美味しい

実際、気になるのがこの点でした。普段使っているものと比べて味が違うのか検証したところ、個人的には明らかな違いを感じました。

あくまで個人の意見ですが、蛇口直結型浄水器でろ過したお水の方が美味しかったのです。普段のポット型のものより、クリアな味わいを感じました。

メリット③ 節水になる

今回体験した蛇口直結型の浄水器は、スイッチ一つで原水と浄水に切り替えることができます。洗い物などをするときは原水モードのシャワー状のお水を使うようにしましたが、この状態だと浄水器を取り付けていない状態よりも最大約40%の節水ができるそうです。

節水になるということは、経済的にも環境にも優しいので一石二鳥だと感じました。

今後の展開について

──今後に向けて、企画開発課ではどのようなビジョンをお持ちですか。

木戸さん 「POWER BLOCK 01」発売後も、PFAS除去浄水器製品を増やしていければと考えております。

健康に対する意識は高まってきていると思いますし、当社の企業理念である「ライフスタイルに関わる水を究明し、豊かさを担う最高の価値を創造する」ということを軸に、国内だけでなく海外にも販路を広げて展開できる商品開発をしていきたいと考えております。

──貴重なお話をありがとうございました!

クリタック株式会社

〒164-0012 東京都中野区本町2丁目46番1号 中野坂上サンブライトツインビル11F
TEL:03-5308-1301(代表) 
FAX:03-3379-5288

この記事の執筆者

吉田 さやか

不動産管理業・フリーペーパー広告営業・アパレル企業の事務・認知症高齢者向け介護施設スタッフ等の職種を経て、現在は4歳の娘を育てながらライターとして活動中。北陸育ち、関西在住7年、首都圏在住13年目。

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