起源は弥生時代?!赤穂化成が考える「ミネラルと健康」への想い

室戸海洋深層水「天海の水」や「熱中対策水」などでお馴染みの兵庫県赤穂市にある赤穂化成株式会社。今回は、赤穂化成が取り組んでいる商品開発や、おすすめアイテムについてお話を伺いました。

赤穂化成 株式会社

マーケティング部 難波さん

各種商品の広告やPR、新商品提案などに携わっている。

古代から続く有数の塩の産地、赤穂

──まずは、貴社の成り立ちから教えてください。

難波さん 「十州塩田発祥の地」である赤穂東浜塩田が当社のルーツです。赤穂では古代より製塩が行われ、弥生時代末期から沿岸部で塩づくりが始まり、奈良時代の756年には、一部の塩山が東大寺へ寄進されたことも分かっていて、古来より塩の産地として栄えていました。

その後の1626年には、赤穂藩の事業として大規模な入浜式塩田(※1)の開拓が進みました。全国に「赤穂の塩」の名を馳せるまで成長し、十州塩田(※2)の牽引役として地位を築きました。

その入浜式塩田の開拓の地が「赤穂東浜塩田」となり、1971年赤穂東浜塩業組合の化成品部門を踏襲する形で、赤穂化成株式会社が誕生しました。

※1 潮の干満差を利用し、海水を自動的に塩浜へ導入する方法。瀬戸内十州を中心に遠浅の海浜に堤防を築き、その内側に造られました。

※2 瀬戸内沿岸の播磨、備前、備中、備後、安芸、周防、長門、阿波、讃岐、伊予の10ヶ国に存在した塩田の総称。 これらの10ヶ国は塩田の規模が大きく、多量の塩が生産されました。

独自の技術でミネラルバランスが保たれた海洋深層水を開発

──貴社の主力商品である、海洋深層水「天海の水」について教えてください。海洋深層水とはどんなお水ですか?

難波さん 海洋深層水は、太陽光が届かない水深約200m以深にある海水のことです。海洋深層水は、長い年月をかけ、世界の海域を巡っていてとても清浄。

さらに、低温で安定しているので表層水と混じり合うことがなく、マグネシウムやカルシウムをはじめとする多種類のミネラルが含まれています。

「天海の水」は、高知県室戸沖2200メートル、水深344メートルで取水された海洋深層水を100%使用しています。海洋深層水は、主にマグネシウム、カルシウム、カリウム、ナトリウムの4つのミネラルを含んでいて、その比率は、3:1:1:26となっています。

ここから当社の技術でナトリウムのみを取り除くことに成功し、3:1:1:1という海のミネラルバランスを保った「天海の水」が誕生しました。

なかでも含有量の多いマグネシウムは、欧米化した食生活により現代人に不足しがちな栄養分。吸収率の高いイオン化された水から摂取することで、健康維持につながります。

──水の特性を表現するのに硬度という言葉がありますが、ミネラルが多いということは、硬度が高いということですよね。

難波さん その通りです。硬度は水に含まれるマグネシウムとカルシウムの量で決まります。

皆さんが普段コンビニやお店などで購入するお水の硬度は100以下の軟水が多いです。「天海の水」はなんと10倍以上の硬度1000にもなります。ミネラル特有のまったりした味がするので初めて飲まれる方は驚く方もいますが、これがミネラルの入っている証拠でもあります。

味が苦手な方におすすめしたいのが、ご飯炊きや煮物。食材の表面にマグネシウムがコーティングされ旨味を閉じ込める作用があるため、よりおいしくいただけますよ。味への影響も少ないので、無理なくミネラルを摂取していただけますよ。

熱中対策水は、イオンバランスと塩分濃度がポイント

──続いて、「熱中対策水」の特長についても教えてください。

難波さん 熱中対策水は、2008年に誕生した商品です。夏場の暑さが年々深刻化し、社会問題となっていたこともあり開発が進められました。当社の「赤穂の天塩」の製造ノウハウを活かせば、需要にフィットするのではないかと考えたのです。

熱中対策水は、体外に排出されてしまう汗に含まれるミネラルバランスに近いことが特長です。
また、暑さ対策に適した塩分濃度は、0.1〜0.2%との指標があり、熱中対策水は0.16%であるため、指標に合致しています。
また、レモンや日向夏などいろいろな味があって、自分好みの味を楽しむこともできます。

お子様には、ゼリータイプもおすすめ。サイダー味とぶどう味が人気です。

──貴社では、にがり製品も有名ですよね。

難波さん ありがとうございます。にがりは、海水を煮詰めて塩を取った後に残る液なんですが、当社の「天海のにがり」は海洋深層水を100%使用しています。

にがりは元々お豆腐を作る時の凝固剤として使われていましたが、近年健康志向が高まり、にがりにマグネシウムが多く含まれることから、飲み物や料理に加えるなどして健康目的に使われる方が増えています。

こだわりは、使いやすさ。1日の目安摂取量が大さじ1杯になるよう濃度調整を行いました。例えば、1日3食であれば、毎食小さじ1杯ずつ摂取すれば目安量になります。ご飯炊きや煮物作りの際にぜひ利用してみてくださいね。

「ミネラルと健康」をテーマに、これからもお客様の求める商品を作り続けたい

──様々な人気商品を世に送り出していらっしゃるんですね。最近力を入れている取り組みなどはありますか。

難波さん 2022年3月に、地元の観光地に「AMAMI TERRACE」というアンテナショップをオープンしました。地元の食材を使ったランチやスイーツを楽しんでいただけるほか、当社製品の販売も行っています。

特に人気なのが、「鶏肉のレモン漬けのタレ」。地域の学校給食で出されることから人気が高まり、商品化することとなりました。他にも、その場で平釜で炊き上げたクラフトソルト、塩スイーツなどを販売しています。

「AMAMI TERRACE」では、ワークショップも開催しています。
実際にお味噌や塩を作る過程を体験していただいて作った商品をお持ち帰りできます。
お子様から大人まで楽しんでいただけますよ。

──最後に、今後の展開を教えてください。

難波さん 当社は、創業からこれまで、「赤穂の天塩」や「海の深層水 天海の水」、「熱中対策水」などの一般消費者向け製品をはじめ、豆腐の製造に欠かせない「にがり」など数々の製品を生み出してきました。

これからも「ミネラルと健康」をテーマに、お客様に役立つような商品作りをしていきたいです。また、アンテナショップなどを通して、お客様とのつながりも大切にしたいですね。

赤穂化成株式会社

〒678-0193  兵庫県赤穂市坂越329番地
TEL:0791-48-1111(代) 
FAX:0791-48-1735

この記事の執筆者

佐原 有紀

大手人材会社退職後、2018年よりフリーライターとして活動。取材経験を活かし、ウェブメディアでの執筆や求人広告の作成などを行っている。

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