日本でもビール文化が根付き、多くのビール醸造所があります。
今回は山梨県にある富士桜高原麦酒に注目してみました。富士山の天然水を使ってドイツのジャーマンスタイルのビールを醸造する同社。
「一度飲んだら何杯でもおかわりしたくなる」そんなビールを造り出すために、どのようなこだわりがあるのでしょうか?
今回は、同社の醸造長である宮下 天通(みやした ひろみち)さんにインタビューしました。
富士桜高原麦酒
宮下 天通さん
醸造長
富士桜高原麦酒は、数十年前にドイツで醸造技術を学び、想いが伝わるビールづくりにこだわり、何杯でも飽きずに飲めるジャーマンスタイルのビールを提供しています。お客様のニーズに合わせ、こだわりのビールをお届けすることをモットーにしています。
富士桜高原麦酒を始めるきっかけ
──富士桜高原麦酒を始めるきっかけを教えてください。
宮下さん 富士桜高原麦酒の始まりは、1994年に地ビールが解禁されたことをきっかけに、地ビールレストラン「シルバンズ」の開業が決まったことから始まります。
それに伴い、富士桜高原麦酒の事業もスタートしました。
そこで、ビール製造を学ぶために本場のドイツへと醸造研修に3人の社員を派遣することを決めました。
6週間にわたる研修の中で、ドイツのビール製造技術を学び、醸造技術の向上につながりました。
帰国後、彼らは富士桜高原麦酒のブランドを設立し、1997年からビール醸造をスタートしました。
富士桜高原麦酒は本場ドイツでの研修を経て、高品質なビールを醸造する技術を手に入れたのです。
クラフトビールの特徴や魅力
──クラフトビールの特徴や魅力はどのようなものがありますか?
宮下さん:富士桜高原麦酒では、ジャーマンスタイルのビールを中心に造っています。
当社の定番は、『ヴァイツェン』、『ピルス』、『ラオホ』、『シュヴァルツヴァイツェン』の4種類です。
季節限定で、ドイツの伝統的なビールの祭りであるオクトーバーフェストにちなんだ『メルツェン』や、少しアルコール度数の高い冬向きの『ヴァイツェンボック』などを造っています。
これらのビールも、富士山の天然水を使って醸造され、豊かな味わいが特徴です。
ビール好きの方々はもちろん、まだビールを飲んだことがない方にも、是非一度試していただきたいですね。
富士桜高原麦酒が提供するビールの種類
──富士桜高原麦酒が提供するビールの種類は何種類ありますか?
宮下さん 季節ごとに造っている限定商品を合わせて、年間20種類以上を製造しています。
富士山の天然水を使用し、ドイツの醸造技術を取り入れたビールは、クラシックなラガーや、フルーティーな味わいが特徴のヴァイツェン、スモーキーなラオホ、フルーティーな黒ビールのシュヴァルツヴァイツェンなど、定番の4種類をはじめ、季節限定の商品も充実しています。
ビール好きにはたまらない、数多くの種類を味わうことができるのが富士桜高原麦酒の魅力です。
富士桜高原麦酒のビールは、豊かな富士山の天然水と高品質なモルト、ホップを使用し、ドイツの伝統的な醸造技術を導入。
そのため、ビールの味わいは非常に洗練されており、どのビールも独自の特徴を持っています。
特に、ドイツビールの特徴である飲みやすさを追求し、現在の富士桜高原麦酒のビールはドリンカビリティが高いため、幅広い層から支持されているのです。
また、ビールの品質にはこだわり抜いており、国内外のビール品評会で数々の賞を受賞しています。
──ビールを初めて飲む人におすすめの銘柄は何がありますか?
宮下さん ビールを初めて飲む人におすすめの銘柄は、フルーティーな香りが特徴的な「ヴァイツェン(Weizen)」です。
ヴァイツェンは小麦モルトを50%以上使用し、バナナやクローブのようなフルーティーで爽やかな香りと味わいが特徴です。
また、ヴァイツェンは一般的なビールに比べて苦味が少なく、飲みやすいという特徴もあります。初めてのビールにぴったりな、さわやかな味わいが楽しめる銘柄です。
──富士桜高原麦酒地のビールを飲むとき、グラスや温度など特にこだわることはありますか?
宮下さん 例えば、ラガー系のビールは細長いグラスがおすすめです。
このグラスを使うことで、ビールののどごしやキレをより楽しむことができます。
一方、ヴァイツェンと呼ばれるビールは、瓶の底に酵母が沈殿しているので、飲む2〜3時間前に振って酵母を混ぜてから飲むのがおすすめです。
これにより、より豊かな味わいや香りが楽しめます。また、ヴァイツェンはビールが苦手な人にもおすすめです。
地元富士山周辺の素材や風土が反映されているビール
──富士桜高原麦酒のビールには、地元富士山周辺の素材や風土が反映されているものがありますか?
宮下さん 富士桜高原麦酒では、地元富士山周辺の素材や風土を生かしたビールを多数取り扱っています。その中でも特におすすめなのが、「ゆずヴァイツェン」というフルーティーなクラフトビールです。
このビールには、山梨県産の柚子を使い、富士桜高原麦酒のフラッグシップであるヴァイツェンに、地元山梨県の富士川町で作られたゆずの皮を漬け込んでいます。
春・夏の季節はフルーティーなクラフトビールがおすすめ!
──これから温かくなる季節となりますが、おすすめの飲み方はどのような方法がありますか?
宮下さん 春から夏にかけてはフルーティーで軽やかなビールがおすすめです。
また、冷やして飲むことで、ビールの爽やかさを引き出すことができます。さらに、おつまみとの相性も抜群で、野菜スティックやサラダ、チーズなどと一緒に楽しむのも良いでしょう。
また、私がおすすめする飲み方としては、コンビニのアイスとの相性が良いことです。
例えば、「シュヴァルツヴァツェン」は、バニラアイスとの相性が抜群で、ビールにかけて食べると、クリーミーで甘いアイスと、黒ビールが絶妙にマッチします。
そして、クラフトビールとスイーツも相性が良く、ビールの苦味と甘味のバランスがとれたデザートと一緒に楽しむことができます。
富士桜高原麦酒が注力するマーケティング戦略
──富士桜高原麦酒が注力しているマーケティング戦略は何ですか?
宮下さん 富士桜高原麦酒は、製造から販売、宣伝まで社内で一貫して行っているこだわりのあるクラフトビールメーカーです。
マーケティング戦略は、単に美味しいビールを製造するだけでなく、美味しさを広めるために努力しています。
そのため、良いクラフトビールを製造するだけでなく、販売戦略や宣伝活動も自社で行っています。
また、富士桜高原麦酒が注力している点は、「おかわりしたくなるビール」を造り続けることです。
ビールがおいしくなければ、顧客にリピートしてもらえないため、常に品質にこだわっています。
さらに、地元富士山周辺の素材や風土が反映されているものもあるため、地域密着型のマーケティングも行っています。
総じて言えることは、富士桜高原麦酒は美味しいクラフトビールを造り続けるだけでなく、ビールの魅力を広めるために努力をしているということです。
そのため、私たちのクラフトビールを飲めば、ただ美味しいだけでなく、地域の風土や文化に触れることができ、一層の楽しみが増えることでしょう。
今後の展望
──今後はどのような展望を考えていますか?
宮下さん 富士桜高原麦酒は、富士山周辺の風土や素材を大切にし、美味しいクラフトビールを提供することに力を注いでいます。
今後もふじざくら命水を活かし、富士山周辺の風土や素材を取り入れたクラフトビールを開発・販売していく予定です。
また、近日、フルーツを使った飲みやすい新たなクラフトビールも販売するので新しいスタイルのビールも知ってもらえると嬉しいです。
私たちは、お客様に「おかわりしたくなるビール」を提供し続けることを目標に、今後も新たなクラフトビールの開発や販売に努めていきます。
まとめ
富士桜高原麦酒は、富士山の天然水を使ったクラフトビールを提供することをコンセプトにしています。
彼らは、製造から販売、宣伝までを社内で行い、常に美味しいビールを提供することに注力しています。
現在、フルーツを使用した飲みやすい新しいスタイルのビールも販売しています。
私たちの造るクラフトビールは、肉料理やスイーツとの相性も良く、特に「おかわりしたくなるビール」を目指して造られています。
富士山の風土を活かした美味しい商品を今後も展開予定であり、ニューイングランドヴァイツェンのような新しいビールも開発中です。
富士桜高原麦酒は、クラフトビール愛好家には見逃せない魅力的なビールを提供しています。
富士観光開発株式会社
昭和34年の創業以来、「自然と人間との調和」を企業理念の一つとして山梨県・富士北麓エリアを中心にレジャー事業、不動産事業、生活流通事業の各分野で事業展開を行っております。
レジャー事業は日本屈指のゴルフトーナメントコースを含む計3つのゴルフ場に温泉施設、スキー場などを展開。
地域社会との共存共栄を図りながら、富士山・富士五湖の魅力を発信しています。
〒401-0396 山梨県南都留郡富士河口湖町船津3633-1