水と歴史と自然の街 岐阜県恵那市の魅力をご紹介!

景勝地「恵那峡(えなきょう)」がある岐阜県恵那市は、豊かな水源を持ち魅力的なスポットが沢山ある街ということをご存知でしょうか。

今回は、恵那市観光協会の小川智明さんに恵那市の観光スポットについてお伺いしたのでご紹介します。

恵那市観光協会

小川智明さん

引用元:恵那市観光協会 恵那峡

恵那峡とは? 

大正9年(1920年)5月21日に、世界的な地理学者である志賀重昴(しげたか)さんが、峡谷の壮大な風景を絶賛して「恵那峡」と命名したのが始まりです。

恵那峡は、当時から自然の景色が美しいことで知られていました。しかし、恵那峡を流れる木曽川は「流れ来る水をとめてみよ」と歌われるほど、水流が早い暴れ川でした。

大正13年(1924年)に、木曽川をせき止めた大井ダムが完成しました。水流が調節されたことで更に景観が良くなり、観光客や文化人に愛される名高い景勝地となりました。

大迫力の大井ダム
引用元:恵那市観光協会 大井ダム

大井ダム自体も「日本初の発電用ダム」と呼ばれ、福沢諭吉の養子である福沢桃介により完成されたことで有名です。大井ダムの水力発電で得た電気は工業や鉄道に利用され、日本の近代化にも貢献したと称されています。

恵那峡は景勝地という側面だけでなく、日本近代の歴史とも関わりの深い場所なのです。

恵那峡でしか見られない奇岩怪石を堪能しよう

恵那峡は、多くの奇岩怪石(きがんかいせき)があることで有名です。ここを訪れたら、是非、恵那峡遊覧船に乗って恵那峡の両岸にそびえ立つ岩々の壮大さを間近で体感いただきたいですね。

約30分のクルーズの中で、「獅子岩」、「屏風岩」、「品の字岩」、「軍艦岩」など、多くの珍しい形の岩々を近くで眺めることができます。

遊覧船から見える品の字岩
引用元:恵那市観光協会 夏の特別便50分クルーズ

ここは、昔から裸山に岩が多く点在している地形で、地質的にも浸食されやすい特色がありました。更に、木曽川の激しい流れにより長年の歳月をかけて浸食され、峡谷ができ奇岩怪岩を多く生み出したと言われています。

春は乗船場付近の桜、夏は新緑の緑と白波の美しいコントラスト、冬は雪景色の幻想的な情景が堪能できます。

一番のおすすめは秋の紅葉シーズンです。この時期になると、毎年多くの観光客の方がいらっしゃいますよ。

遊覧船と紅葉のコラボレーション
提供:恵那市観光協会

遊覧船からは見えませんが、乗船場の近くには国から天然記念物に指定された「傘岩」があるので、こちらにも是非足を運んでいただきたいと思います。

高さは4.3mで、傘を広げたような形をしており、長年の浸食と風食によって生まれた貴重な岩で、一見の価値はあると思いますよ。

天然記念物に指定された傘岩
提供:恵那市観光協会

恵那峡から少し足を延ばして…水と関連の深い見どころ

恵那ICから車で約20分のところに、日本の棚田100選にも選ばれた「坂折棚田(さかおりたなだ)」があるので、恵那峡と合わせてこちらも訪れてみてはいかがでしょうか。

黄金色の稲穂が映える坂折棚田
提供:恵那市観光協会

坂折棚田は、江戸時代初期から作られ約400年の歴史がある棚田です。標高410mから610mの山の斜面に棚田が扇状に広がっており、どこか懐かしい日本の原風景を体感することができます。

特徴的なのは、名古屋城の石垣を築いた石工職人たちによって作られた美しい石積みが見られるところです。

坂折棚田では、季節ごとに違った景色を楽しむことができますが、おすすめの季節は、やはり田植えの季節でしょうね。田んぼに水が張った風景は絶品です。

水が張られた坂折棚田
提供元:恵那市観光協会

田植え後の、毎年6月の第1土曜日には「田の神様灯(ともしび)祭り」が開催されているので、そこに合わせて来て頂くのもよいと思います。

このお祭りは、田の神様に田植え終了の報告をして、豊作を祈り、先祖への感謝を伝えるものです。

夜には棚田に1000本のろうそくが灯り、棚田の一角に祀られた「田の神」から、ろうそくの立ち並ぶ棚田を提灯を持って着物姿で練り歩く「提灯行列」は、なんとも幻想的です。

地元民でも賑う涼スポット「滝」

水源の豊かな恵那市には、実は多くの滝が存在しています。

坂折棚田の近くには、笠置山から流れてくる水が、落差約10mの「不動の滝」を作り出しています。大きな滝ではありませんが、不動尊が祀られており信仰の対象となっています。

水しぶきをあげる不動の滝
提供元:恵那市観光協会

恵那市南西部に位置する三郷町には、こちらも落差約10mの「寿老の滝」があります。滝つぼでも水遊びができるので、地元民に親しまれている涼スポットです。

水量が多い梅雨や夏の時期には、2本に分かれた滝を見ることもできます。夏に訪れる際は、ここで川遊びやバーベキューを楽しむのもおすすめの過ごし方ですよ。

お城やご当地グルメも必見 

恵那市に訪れる歴史好きの方には、是非城にも足を運んでみていただきたいですね。

例えば、奈良県の高取城、岡山県の備中松山城と並んで日本三大山城の一つで、日本100名城にも選ばれた「岩村城跡」も有名です。標高717mに位置しており、織田信長の叔母である「おつや」が城主として統治した城として知られています。

天守閣は残っていないものの、六段壁などの石垣群は見ごたえがあります。

恵那市のご当地グルメと言えば、「五平餅」が有名です。古くから伝わる郷土料理で、お店によってタレや形も異なるので、食べ比べをしても楽しいかも知れませんね。

他にも、夏の「朴葉寿司」、秋の「栗きんとん」、冬の「山岡寒天」、そして日本に伝来した当時のままの製法で作られている「岩村かすてら」も是非堪能してみてください。

ご当地グルメの五平餅
提供元:恵那市観光協会

恵那市の魅力を全国へ 

恵那市の魅力をお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。

今後は、恵那市観光協会は市と協力して各種イベントを開催し、全国に恵那市の魅力を届けていきたいと思っています。

そして、令和6年には「大井ダム」が開設100周年を迎えるので、記念のイベントも計画しています。これを期に、恵那市へ足を運び魅力を存分に堪能いただけたら大変嬉しく思います。是非、お待ちしております。

この記事の執筆者

横上 菜月

製薬関連企業で働きながら、旅と取材ライターをライフワークとして活動中。

新着記事