「奇跡の温泉郷」と呼ばれる土地。温泉のように湧き出る魅力の数々をご紹介!

島原半島には泉質の異なる3つの大きな温泉があり、半島の南北にも温泉が湧くことから、「温泉郷」として古くから親しまれてきました。

これは半島に「雲仙火山」があることによる最大の恵みであり、「奇跡の温泉郷」とも言われています。

今回は、一般社団法人 島原半島観光連盟の田中 亜希(たなか あき)さんにインタビュー。島原半島のそのものの魅力や、観光地としての見どころ、水が主役のグルメなどについてお話をうかがいました。

一般社団法人 島原半島観光連盟

田中 亜希さん

個性豊かな温泉を楽しめる島原半島

それぞれの温泉の効能に合わせて湯めぐりをするのがオススメ。
通称「美人の仕上げ」と呼ばれるめぐり方。

──島原半島はどのようなところですか?

田中 亜希さん(以下、田中さん) 島原半島は「雲仙温泉郷」として親しまれていて、周囲100キロくらいのエリアの中に、いくつも泉質の異なる温泉があります。

島原半島の西側にある橘湾(たちばなわん)の地下には「マグマだまり」があり、そのマグマの通り道になっているところに、温度や効能も異なる多様な温泉が湧き出ています。

たとえば、マグマだまりに最も近い小浜(おばま)温泉は、源泉の温度が105度あり、日本一と言われています。雲仙温泉は60〜80度で、島原温泉で最も低いところは26度くらいです。

また、雲仙には温泉神社と書いて「うんぜんじんじゃ」という名前で親しまれている、四面宮(1300年前に誕生した九州総守護の神社の名称)の総本社があります。雲仙岳周辺に4ヵ所建てられており「温泉四面神」ともされています。

──では、温泉の効能についても教えてください。

田中さん 島原温泉は「炭酸水素塩泉」なので、クレンジング効果があるといわれています。

雲仙温泉は「硫黄泉」で殺菌効果があり、肌を整えたり、メラニンの分解を助けたりする美肌効果も。

小浜温泉は「塩化物泉」で塩を含んでいるので、入浴後もポカポカと温かさが続きます。保温効果や保湿効果があると言われています。

色とりどりの景色と魅力が詰まった場所

雲仙の「仁田峠」。
四季の移り変わりと共に違った景色を楽しめる。

──それぞれに特徴があって面白いですね。

田中さん はい。さらに、温泉地ごとにいろいろな景色を楽しむこともでき、海の幸にも山の幸にも恵まれていますね。

どの温泉地に出向いても、季節や時間帯によって景色を楽しめます。

島原温泉は朝日を望める温泉地で、雲仙温泉は明治時代から避暑地として外国人にも親しまれてきた温泉地、小浜温泉は夕日輝く温泉地です。

太陽の動きと共に移動し、島原、雲仙、小浜温泉の順に巡っていく「雲仙温泉郷 美人のしあげ」の入浴法がおすすめです。

また、どの季節でも楽しめる場所のひとつが、雲仙エリア。春はミヤマキリシマが咲き誇り、夏には新緑、秋には紅葉、そして冬には霧氷(むひょう)が付き、真っ白な世界に。いろいろな表情をみせてくれるんです。

歴史と融合して生まれた数々の観光地

「鯉の泳ぐ町」は島原の見どころの一つ。
年間を通して多くの方々が訪れる人気スポット。

──おすすめの「水」に関する観光スポットを教えてください。

田中さん 島原には「水の都」として親しまれる「鯉の泳ぐ町」があります。湧き水が流れている水路に鯉が放流されているんです。

また島原半島の真ん中には、雲仙普賢岳(うんぜんふげんだけ)があり、その山に降った雨水が地下に染み込み、湧き出しているんです。

今湧き出している湧水は、なんと約30年前に雨として降ってきたものと言われています。

島原市内には10ヵ所以上の湧水地があり、飲み水として汲めるところ、野菜を洗えるところなど区分けされている湧水地もあり、市民のみなさんの生活用水として活用されています。

南島原には「戸ノ隅の滝」や「鮎帰りの滝」があり、夏場には綺麗な景色を楽しみながら、マイナスイオンを浴びて涼むことができます。

温泉に入るだけじゃなく「食べて楽しむ」こともできる!

島原の湧水によって喉越しの良い白玉団子が出来上がる。
甘い蜜の味わいは店舗によってのお楽しみ。

──最後に、島原半島の「食」についても教えてください。

田中さん 雲仙・小浜エリアには、温泉水に小麦粉、卵、砂糖を練り上げて焼かれた「湯せんぺい」というお菓子があります。

島原城にお殿様がいた時代、温泉好きのお殿様に献上する菓子としてつくられたのが始まりとされ、お土産の定番商品でもあります。

島原には「かんざらし」というスイーツがあります。小さな白玉団子に蜂蜜や砂糖で作った甘い蜜をかけたものです。白玉団子を作るときには島原の湧水を入れてこねます。島原の湧水だからこそ、もちもちとした食感になります。

島原半島には、かんざらしをいただけるお店が20店舗近くあり、それぞれのお店で味わいを楽しむことができるのです。

また南島原エリアでは、長年にわたって「島原手延そうめん」が作られていて、昔は400軒ほど、今でも100軒以上もそうめんの工場があり、全国の手延そうめんの約30%を製造しています。湧水を使用して造っているので、なめらかな舌触りと強いコシが特徴で、一度食べたら癖になるそうめんです。

島原半島の恵みである「温泉」や「湧水」のあらゆる魅力を味わっていただけると嬉しいです。

一般社団法人 島原半島観光連盟
〒855-0879 長崎県島原市平成町1-1雲仙岳災害記念館内
TEL:0957-62-0655
FAX:0957-62-0680

この記事の執筆者

志摩 若奈(しま わかな)

個人事業主として、取材や執筆、カウンセリングをおこなう。「自分と繋がる瞑想法®︎」を活用した、自己信頼や自己受容を育むセッションを提供中。お問い合わせはInstagramのメッセージまで。

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