アクアソムリエが辿る京都伏見の名水紀行!御香水・閼伽水・菊水若水・不二の水

この記事の執筆者

鶴田雅人

日本アクアソムリエ協会認定 アクアソムリエマイスター・公認講師。 日本テレビ系列「月曜から夜ふかし」、 フジテレビ系列「99人の壁」など、メディアにも多数出演。

オーバーツーリズムを避けて、     
    静かな京都伏見名水の旅へ——

京都駅の南側って、行ったことはありますか。

京都観光と言うと、どうしても駅の北側がメインになりがちで、南側、八条口より南には、宿泊のホテルにしか行かない、という方も多いと思います。

少し距離はありますが、京都駅の南側には伏見があります。
そして、伏見には歴史と名水があります。

オーバーツーリズムを避けて、静かな京都伏見名水の旅はいかがでしょうか。

こんにちは。アクアソムリエの鶴田雅人です。
なんだか旅番組っぽい書き出しになりましたが、密かに憧れています(笑)。
今回は、京都伏見の名水を中心に、ちょっと旅番組っぽく、歴史や観光にも触れてご紹介します。

伏見とは?歴史をおさらい

一般には、京都市の南部に位置する伏見区を指します。
宇治市とも隣接しています(宇治市の北側)。

伏見の歴史

古くから歴史にその名は登場したようですが、クローズアップされるのは安土桃山時代、秀吉の頃が最初で、聚楽第を豊臣秀次に譲った後に、伏見城を築いたとされています。
残念ながら伏見城は非現存で、跡地が遊園地だった時代を経て、現在はその遊園地時代の模したお城が残るようです。

その後、幕末に坂本龍馬が襲撃された寺田屋も伏見にあります。
(寺田屋の襲撃の際は、龍馬は一命を取り留めていて、その後、川沿いの材木納屋で助けを待ったそうです。当地には石碑なども残されています。)
また、いわゆる「鳥羽・伏見の戦い」の名の通り、新政府軍と旧幕府軍の舞台でもありました。こちらも石碑や遺構が残っています。

伏見の湧水、旅の計画

これ、もしかしたらライフハックかもしれないのですが、Google Mapsで「湧水」と調べると、近くの湧水が全部出てきます。

しかもかなり精度が高いです。自分の位置情報と比較して位置がわかるので、基本的にはこれを頼りにしつつ、自治体とか観光協会とかが出している情報と、照らし合わせるのがいいかなーと思っています。

注意点としては、かなりローカルな湧水も出てしまって、これ飲める…?きびしい…?って感じのものが多々ありますので、その辺りは、

  • 飲用可の記述があるか
  • 掲載された写真の雰囲気

で、ご判断いただければと思います。
(著作権の関係があるので、みなさまお手元のGoogle Mapsでお試しいただければと思います)

それで、伏見エリアで「湧水」と検索すると、メジャーなものからマイナーなものまで10ヶ所くらい出てきました。
いちばんのどメジャー、御香宮神社は元々行こうと思ってましたので、その周辺で、ほかにいくつかチョイス。
長建寺、城南宮、藤森神社を加えて、計4箇所としました。

伏見の湧水を楽しめる観光スポット4選

長建寺&閼伽水(あかすい)&川下り

京阪本線「中書島駅」から歩いてすぐのところに、長建寺があります。
なんでも京都で唯一、弁財天をご本尊とする寺院だそうで、創建は1699年と伝えられています。

その境内に湧くのが、閼伽水(あかすい)
仏教の言葉で、仏前などに供養される(捧げられる)お水のことを指すようです。

味はあまり癖がなく、硬度感も適度で、後述する伏見っぽさのあまりない…いわゆる普通の湧水っぽいおいしさ、この地域では珍しいタイプの湧水でした。でも、おいしい良いお水です。

この辺りには川下りの観光があり、「十石舟」あるいは「三十石舟」の名で親しまれています。予約が必要なようで、私は乗れなかったのですが、とても風情ある佇まいでした。

御香宮神社&御香水

さて、名水百選です。
伏見にある御香宮神社、その境内に湧く御香水は、「伏見の御香水」として昭和の名水百選に名を連ねています。

個人的に、伏見のお水には特有の「香り」があるように昔から感じていて。
お酒の黄桜(これも伏見です)を飲んだ時に感じる香りと、すごく似ているように思うのですが。
昔の人が「御香水」と名付けたのも、これと同じ感性なのかなと思い、嬉しくなり、むべなるかな、という感じです。

冷えていると香りが立ちにくいので、ぜひ汲んで、汲みたてはそれとして飲んだ上で、持ち帰って常温にしてみてください。
香りが出てきて、「御香水」と呼ばれる由来が分かると思います。

基本的にお水は無臭のものがほとんどなので、なぜ香りが立つのか?というのは、詳細な成分分析をしないとわかりませんが、個人的には、「適度な硬度感+わずかな硫黄などの感じ+ミネラルバランス」なのかなと、今回思い至りました。

温泉水なんかで、硫黄分が強いと、かなり香りが出ることはあるんですよ。
いわゆる「地獄谷」とか、温泉水のあれです。
伏見は温泉地ではなく、高温の湧水はありませんが、エッセンスとして、すごく遠くに似たニュアンスを感じる…、で、それが、適度な硬度感とミネラルバランスと相まって、香りを作り出している。

すいません、詳細分析してないので、完全に経験知に基づくものですが、「御香水」の香りを確かめられたこと(常温がベスト)と、それを自分の中で言語化できたことが、今回の旅の一番の収穫だったかなと思いました。

アクセスは割と良く、複数路線からすぐです。
桃山御陵前/伏見桃山駅/桃山駅と3駅あり、それこそGoogle Mapsでやると経路最適化してくれそうで、おすすめです。

城南宮&菊水若水

あまり知られていないスポットかもしれませんが、平安京への遷都(794年)の際に、都の守護と国の安泰を願って建てられた社です。
1200年の歴史があり、大きな庭園が特徴で、四季折々のお花が楽しめます。
個人的にとても好きなのは桃の花で、季節に合わせて見事に咲き誇る様子は、まさに桃源郷といった風合いです。
歴史的には、その後ずーっと進んで幕末、1868年に鳥羽伏見の戦いの舞台となりました。私含め幕末好きの方にもおすすめです。

湧水は、ちょっと手水舎感もあるのですが、なかなかに有名なものらしく、私が見た時は地元の方も汲まれていました。
(水汲みの方は裏側へ、の記載もあります)

味は少し雑味があって、いわゆる伏見感とは少しニュアンスが異なるのですが、せっかくなので行かれた際にはぜひ汲んでみてはいかがでしょうか。
最寄駅からのアクセスが少し歩くので、タクシーがおすすめです。最寄りは地下鉄の竹田駅になるのですが、だいたい千円前後かなと思います。

藤森神社&不二の水

馬の守護神として名高い神社で、たくさんの競馬関係者が訪れているようです(写真も飾られていました)。今年は午年ということで、更に盛り上がりを見せています。

刀剣ファンには、名刀「鶴丸国永」の写しが保管されていることでも有名で、宝物殿(見学可能)に専用のコーナーが設置されていました。
(すっごい小ネタですが、隣接する公園の公衆トイレに紙の設置がなかったので、流せるティッシュをお持ちください…)

湧水ですが、こちらも境内の中にあります。
すっきりとした味わいで、常温に戻すと、伏見っぽい香りがちゃんと感じられます。
御香水ほど香りが強くはありませんが、十分に伏見感のある香りと味わいです。
総合評価だと、御香水とどちらが好きかは、嗜好によって分かれるかな?というくらい、飲みやすくおいしいお水でした。

番外 伏見稲荷大社

伏見の観光で一番有名なのは、伏見稲荷大社かと思います。千本鳥居で名高いですね。
伏見稲荷はかなり映えるので、混雑を覚悟にはなりますが、おそらくこのエリアで一番人気の場所だと思います。

千本鳥居は、下の部分を見るだけだと、意外とそんなに時間はかかりません。
稲荷山まで登る場合は、片道1時間〜を覚悟して、軽い登山のようになるので、スニーカーがおすすめです。
伏見エリアで半日/1日を観光する場合には、かなり視野に入ってくるスポットかなと思います。

(今回は訪れていないのですが、10年前に下の部分だけ回った際の写真を載せておきます。この時は下だけなので楽でした。上まで登山して参拝したのは、大学生の時だったかな...けっこう大変でした。)

まとめ

いかがでしたでしょうか。
いわゆる、定番の京都観光コースと比べると、確かに引きは弱いかもしれませんが、それだけにゆっくりとした時間が楽しめます。

お酒が好きな方には伏見の日本酒もありますし(実際現地で飲めます)、観光スポット同士が少し離れていますが、GOなどのアプリでタクシーを呼べば、5分程度で拾えるかなと思います。(逆に、流しのタクシーの量は相対的に少ないので注意)

静かな京都観光をしつつ、歴史にも名水にも触れたい、という方にはとてもおすすめですので、ぜひ、ご検討いただければと思います!

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