アジフライの聖地!食と歴史の宝庫、長崎県松浦市の豊かさ

「アジ」水揚げ量日本一を誇る都市である、長崎県松浦市。松浦市には、アジをはじめとして市が誇るさまざまな農産品や水産品があります。玄界灘から伊万里湾に面し、離島を2つ抱えた産品豊かな土地だといえるでしょう。

また、食だけでなく「元寇」から日本を救った最強の水軍・松浦党の歴史が色濃く残るのも松浦市の魅力です。

「松浦市の見どころや食のすばらしさを知り、ゆったりとした時間を過ごしに来てほしい」

今回は、そんなまつうら観光物産協会の石田様にお話を伺いました。

一般社団法人まつうら観光物産協会

担当者 石田 龍也さん

「アジフライの聖地」松浦市の食のすばらしさ

——長崎県松浦市の、魅力的な食についてお聞かせください。

石田龍也さん(以下、石田さん) 一番知られているのは、やはり「アジ」ですね。アジの水揚げ量が日本一で、特に「アジフライの聖地」としてそのおいしさをPRしているところです。

それ以外にも松浦市には多くの農産品、水産品、加工品があります。特に、オンリーワン・ナンバーワンの産品を厳選した松浦市のこれぞという逸品を取り揃えた「松浦の極み」という松浦自慢の産品がありますよ。

農山品では「アールスメロン」「御厨ぶどう」「松浦キンショーメロン」、水産品では「アジ」「サバ」「トラフグ」、そして加工品の「石工品」いりこ(煮干し、シラス)」「アジフライ」「おさんじ」「旬サバ缶詰」「青島かまぼこ」の12品目です。

——特におすすめの水産品について、さらに教えてください。

石田さん まず4月〜8月頃に五島・対馬海域でとれる、100g以上の「旬アジ(ときあじ)」です。暖流と寒流が交わる海域はプランクトンが豊富なため、肉厚で甘味があるのが特徴です。

外洋のアジは引き締まった印象ですが、伊万里湾内の穏やかな海流の中でとれるアジは身はしっかりしつつもやわらかで、アジフライにするとサクフワの食感が楽しめます。

また、10月〜2月は「旬サバ(ときさば)」をぜひ食べてほしいですね。こちらは五島・対馬海域でとれる寒サバで、400g以上あります。

脂が程よく乗っていますが締まりもいいので、刺身にもぴったり。さらに、「養殖トラフグ」の生産量も日本一です。こちらは高級魚として、全国各地に流通しています。

松浦市の産品は、ふるさと納税の返礼品として取り寄せ可能な物も多くありますので、ぜひ一度試してみてください!

まるごと歴史堪能、最強水軍・松浦党

——松浦市の歴史、それに伴うおすすめの観光スポットを教えてください。

石田さん 松浦市を語る上で欠かせない歴史は、やはり「元寇」です。

松浦市は、日本最強の水軍といわれる松浦党発祥の地。そして、二度にわたって起こった元寇では、鍛錬を重ねた強さと知恵、不屈の魂で松浦党が日本を守り抜き、神風を呼び勝利したと伝えられています。

その元寇終焉の地・鷹島沖では二隻の沈没船が発見されるとともに、2022年10月1日に鷹島初の一石型碇石が引き揚げられました。これも、クラウドファンディングで目標額を越える寄付金が、皆さんから集まったおかげです。

おすすめスポットは、やはり神風に触れる島・鷹島です。鷹島は、水中考古学の拠点として、これからも研究を続けていきたいと考えています。

ぜひお好きな方に訪れてほしいのが、日本初の海底遺跡「鷹島神崎遺跡」をはじめ、「松浦市立埋蔵文化財センター」「対馬小太郎の墓」「開田の七人塚」「鷹島モンゴル村」です。

鷹島は、島まるごと「元寇博物館」といっても過言ではありません。

豊かな緑と海、見逃せない絶景

——松浦市の絶景、ぜひ見てほしい場所についてもお聞かせください。

石田さん まずは土谷棚田(福島町)です。日本の棚田百選のひとつ。海に向かった棚田に、田植え前後の水を張った田んぼの向こうの海に沈む夕陽が絶景。稲刈り後の10月には3千本の灯ろうに火が灯され、幻想的な光の演出「土谷棚田の火祭り」が楽しめます。

土谷棚田(福島町) 

石田さん 次に見て欲しい場所は、不老山総合公園(志佐町)です。

日本各地に残る「徐福伝説」の舞台です。小高い場所にあり、伊万里湾や山並みが一望できます。春になると11万本のツツジが咲き乱れる美しい場所なのですが、現在は土砂崩れにより不老山総合公園へ向かう道路が通行できなくなっております。

そのため、一時的に閉園しています。

不老山総合公園

石田さん その他にも、松浦鉄道から見える景色も見て欲しいですね。
不老山総合公園には入れませんが、日常でも美しい景色をたくさん見ることができます。特に個人的におすすめなのは、松浦鉄道というワンマン列車から眺める景色です。

松浦テウ堂

伊万里から佐世保までの日本最西端を走る鉄道ですが、松浦発電所前駅~御厨駅間の車窓から見える火力発電所の姿が見事です。日本最大級の石炭火力発電所を、ゆったり揺られながら眺められる時間は格別ですよ。

ニューオープン!温泉にこだわったリゾートホテル

——宿泊施設で、特に温泉などに力を入れているところがあれば教えてください。

石田さん ペットリゾートホテル「ブレインズ長崎」です。

2023年の10月1日に福島にオープンしたばかりの、全室オーシャンビューのペットリゾートホテルです。

お部屋はもちろん、共有スペースから食事会場までペットと一緒に入場が可能。ドッグランや浜辺での散歩など、ペットも存分に楽しめる環境を整えたホテルです。

お風呂は、硫黄の香りがほんのり漂う茶褐色の湯が楽しめる大浴場と露天風呂があります。

ミネラルたっぷりの塩湯は、身体がぽかぽかと温まり美肌効果ありです。また、今人気のサウナにも力を入れています。セルフロウリュが楽しめる「木製ドライサウナ」と「フィンランド式サウナ」でととのい時間を楽しめますよ。

美しい海を守るためにできること

——玄界灘、伊万里湾と海と関わりの深い松浦市。水産資源が豊富な海を守るために、意識されていることはありますか?

石田さん 漁業者はもちろん、海に面した地区の活動や職場・サークル等によるビーチクリーン(浜掃除)活動を行っています。

たとえば火力発電所の方々などが集まり、美しい海を守るために力を貸してくださっています。

また漁業集落では、藻場造成やウミトラノオ(ホンダワラ類)・ガンガゼ(ウニ類)駆除などで海の資源保護を行っています。

海水温の上昇によって、魚が少しずつ北の方にいってしまっているという状況はあります。ですが、今のところは地域の皆さんの協力もあり、豊かで美しい環境が保たれていると感じます。そして、これからもそれを守っていきたいですね。

これから松浦市を訪れる方に向けて

——まつうら観光物産協会様から、これから松浦市を訪れたいと考えている人に向けたメッセージをお聞かせください。

石田さん 松浦市は、海と緑に囲まれた自然豊かな土地です。私たちの先祖である水軍・松浦党が守り抜いた海と大地を大切にし、松浦特有の赤土で旨味・甘味が自慢の野菜や果物を全国の人に知っていただきたいです。

私も一度は松浦を離れ、ふたたび戻ってきた身ですが、何より感じたのは「ごはんがおいしい!」ということ。

住んでいるときは当たり前に感じていたのですが、一度外に出てみると、地の物の食のおいしさがよくわかります。

今、松浦市は「アジフライの聖地」として多くの人に知ってもらい、訪れていただいています。もちろん新鮮なアジを揚げた松浦の「アジフライ」はふわふわサクサクで、「アジフライの概念が変わった」と言われるほどおいしいですが、他にも新鮮な農産品、水産品、加工品もあります。

のんびりした時間が流れる松浦は、キャンプでも人気がありますし、バイクツーリングの方もよくお見かけします。松浦の美しい景色の中を歩いて肌で感じていただき、車や船で自然を満喫し、そして何より自慢の食を味わってほしいですね。

一般社団法人 まつうら観光物産協会

〒859-4501 長崎県松浦市志佐町浦免1038-3
TEL:0956-76-8822
FAX:0956-76-8834

※年末年始休(12月30日~1月3日)

この記事の執筆者

黒田 侑(くろだ ゆう)

グルメやお酒、旅と自転車を愛するWebライター。現地に足を運んだり、直接お話しを伺ったりする取材記事を得意とします。

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