【スパ・アルプス】北陸のサウナの聖地の呼び声高く、飲める水風呂も話題に

ここ数年、空前のサウナブームが続き、全国各地のサウナ施設が注目を集めています。

そんななか富山県の温浴施設「スパ・アルプス」は、「北陸のサウナの聖地」と呼び声が高くなり、一躍有名になっています。

高温のサウナの後の水風呂にもこだわりを持ち、飲用許可を取得した北アルプスのおいしい天然水を使用しています。

そこで今回、スパ・アルプスの倉知悟（くらち さとる）さんにお話をうかがいました。

※写真はすべて、スパ・アルプス様からのご提供によります。

食・癒し・宴のすべてがそろい、人気の温浴施設

──食・癒し・宴のすべてがそろう「スパ・アルプス」が、北陸の聖地として人気が集まっている点から教えてください。

倉知さん　24時間の温浴施設「スパ・アルプス」は1986年に創業しました。県内最大級の大浴場や水風呂には、北アルプス水系の天然水100％のお水が注がれています。

飲用許可も取得しており、店内などのお水は実際に飲めるのです。

本格ロッキーサウナ、うたせ湯、ジェット湯も用意し、テレビ付きカプセルホテルによる宿泊施設もあります。さらに食事も腕利きの料理人が調理しており、評判がいいです。

もともと、地域密着型でお客様にサービスを提供する温浴施設なので、サウナがブームになるまでは、「北陸のサウナの聖地」と呼ぶ人はおりませんでした。

近年、どこからともなく「北陸サウナの聖地」を評価もいただいております。

水風呂に入りながら、飲める北アルプスの天然水が人気

──ほかのサウナとどのような違いがあるのでしょうか。

倉知さん　サウナとセットで語られるものは、水風呂です。

サウナで十分に体を温めた後、水風呂に入ってクールダウンします。この水風呂を目当てにいらっしゃるお客さまが増えています。

──今お話にあった、水風呂に入りながら水を飲めることは驚きです。

倉知さん　大浴場はお水が自慢です。北アルプス水系のおいしい天然水100％を使用しております。

スパ・アルプスの広い大浴場、天然水の水風呂のお水は、飲用許可を取得しておりますので、おいしく飲むことができます。

北アルプスの天然水が大きな水風呂にずっと注がれているイメージです。

今は遠方からもお客さまが来ており、

という声も頂いています。

しかし、このお水は2～3年でなにかを変えたわけではありませんから、地元のお客さまからすれば、これが通常のサービスと受け止めておられます。

新鮮なお水を注ぎ続け、水風呂の品質を守る

──水風呂について、差別化している点がありますか。

倉知さん　一般的にお風呂は、一度お湯を抜いて、ろ過機できれいにし、元に戻しています。

水風呂の場合は、同じ手順できれいにして、さらに水温を冷却できる装置「チラー」を使います。

スパ・アルプスの水風呂は、ろ過機も「チラー」もありません。そのことについて話すと、「それで大丈夫なのか」と詳しい方は驚かれます。

水質や水温を保つためにはかけ流すしかありません。

つまり常に新しい水を次々と入れて、あふれさせることで、水質を保ち、きれいにしています。

飲める水をあふれさせ、一切循環させていないのです。この方式を採用した水風呂について、お客さまからの意見では「お水がとても新鮮です。他の水風呂と入った感覚が違いますね」との声があります。

水風呂トライアングルはここだ！

──日本の水風呂のトライアングルの一つと評価があるそうですが。

倉知さん　今のサウナブームよりもはるか前、もう20年前の話になります。

サウナ関係者が集まる会合の場で誰かが、「日本の水風呂のトライアングルってどこか知っている？」との話題を持ち出していました。

サウナが好きな方は同じように水風呂も好きなのです。

サウナ・水風呂で有名な、静岡県の「サウナ しきじ」さん、兵庫県の「神戸クアハウス」さん、そして富山県の「スパ・アルプス」が水風呂トライアングルであると教えてもらいました。

この静岡、兵庫、富山を線で結ぶと三角形になるので、古くからのサウナ愛好家は、この3つを水風呂トライアングルと呼んでいたようです。

共通しているのは水風呂のお水がおいしく飲めることです。

──実際、飲むとおいしいと思いました。

倉知さん　スパ・アルプスのフロントを出たところに蛇口がついています。

そこのお水はペットボトルに入れて持ち帰りOKと表記していますが、特に遠方からいらしたお客さまはお水をくんで持ち帰られています。

──サウナといえば男性客をイメージしますが最近のサウナブームでは女性客も増えたのでは。

倉知さん　このサウナブームで女性も大変増加し、傾向としては若い女性が増えましたね。

先日もある有名な女性の方が、東京からクルマを飛ばして、こちらまでいらっしゃいました。その方は、「関東のサウナも好きですが、ここのサウナが一番好きですね」と言っていました。

日本最大級　女性に優しい水風呂「青の洞窟」誕生

──女性向けの水風呂も人気のようですね。

倉知さん　以前のサウナのお客さまは、9割以上が男性客でした。そのため、施設自体も男性向けの方の規模が大きく、女性向けは小さかったのです。

今のお客さまの層は、ファミリー層、カップルあるいは高齢になったご夫婦などと幅が広がりました。

女性を含むグループの話で、「男性向けにはこれがあったが女性にはなかった。あるいは女性の施設は小さかったが、男性の施設は広い」との話をうかがいました。

施設のキャパシティは決まっているのですぐに施設を広くすることはできません。

そこで、男性が「女性向けのあの施設はうらやましい」と思えるような何かを作れないだろうかと検討していました。

ちょうどデッドスペースに広い空間があり、そこにプールのような水風呂を造りました。泳げるようなサイズ・深さの水風呂なので、本当に好評です。

女性専用の水風呂でこれだけ広く、また深い施設はそうそうありません。これで女性の方が一つアドバンテージが高くなったことで、満足度が高まったと期待しています。

「週刊ＳＰＡ!」のサウナ大賞で総合10位

──「週刊ＳＰＡ!」はサウナ大賞※を開催し、2022年総合ランキングでは、スパ・アルプスは総合10位にランクインされましたね。

※サウナ大賞・・・「週刊ＳＰＡ!」が主催する全国のサウナランキング。

倉知さん　サウナブームは数年前から始まり、そのブームに合わせるようにサウナ大賞を創設し、サウナを盛り上げていただけることに大変感謝しています。

部門別の評価では、水風呂部門２位、食事部門３位にランクインしましたが、この点についてもうれしく思います。

水がおいしいところはご飯もおいしいのです。

スパ・アルプスでは有名なホテルで修業した腕利き料理人が多くいて、おいしいお料理を提供しています。

そんな腕利き料理人が食材の目利き※をして仕入れています。切り身や冷凍ではなく、一本、魚を丸ごと仕入れてそれをさばき、お刺身、焼き魚や総菜としてお客さまに出しているのです。

※目利き・・・食材への見分けのこと。

ですから、スパ・アルプスの料理メニューは多種多様です。宴会も催しているので、本格的な懐石料理・宴席料理もご提供しております。

温浴施設でここまで本格的な料理を出すところは珍しいと思います。

「サウナ大賞」が来年、再来年と続けられ、頑張ってより上位に食い込みたいです。

富山県は水も食べ物も、そしてサウナにも恵まれた県

──富山県でなにか面白いイベントはありますか。

倉知さん　私はもともと愛知県出身です。仕事で富山県に来るまでは知らなかった、大きなお祭りは、「越中八尾 おわら風の盆」があります。

哀愁を帯びた三味線と胡弓、太鼓の音色と、味わいのある唄に合わせて踊り手たちが情緒豊かに踊りながら歩くのです。

300年以上、踊りつがれてきたその唄と踊りは、叙情豊かで気品高く、哀調の中に優雅な趣があります。

3日間で約20万人もの観客が訪れる富山県屈指のお祭りです。ほかにも砺波市の「砺波チューリップ公園」など他県の方からすると知名度は少ないですが、魅力あふれた県です。

富山県の特徴としては温浴施設も多く、人口当たりの温浴施設数は、全国でも上位にランクインするでしょう。

富山県には今、海や山にアウトドアサウナ、プライベートサウナ、あるいは新設されたサウナ施設が増えています。

他県の方にとっては、サウナ巡りにも良い県ですので、ぜひ訪れてほしいです。