RO水とは?天然水との違いは?ウォーターサーバーの水比較【安全性・味】
「RO水ってなに? 天然水とはどう違うの?」
「天然水とRO水、どっちがいいものなの?」
ウォーターサーバーの水には、大きく分けて天然水とRO水の2種類があることを知っていましたか?
この記事では「そもそもRO水が何なのか分からない」という方にも分かるように解説していきます。
また、RO水のメリットとして第一に「コスパのよさ」がありますが、なぜ安いのかという点についても解説していきます。
RO水の特徴とメリットを理解し、正しくウォーターサーバーを選びましょう。
なお、具体的にRO水ウォーターサーバーを知りたいという方は下の記事でまとめているのでチェックしてみてください。
この記事の監修者

鶴田雅人
日本アクアソムリエ協会認定 アクアソムリエマイスター・公認講師。 水の味の違いに興味を持ち、国内外のミネラルウォーターを飲み比べている。 日本テレビ系列「月曜から夜ふかし」、 フジテレビ系列「99人の壁」など、メディアにも多数出演。
Twitter:https://twitter.com/aquasomme
RO水とは何か!天然水と違うポイント

天然水とRO水には様々な違い・特徴があり、どちらがいいというものではありません。人によってどちらがいいかは異なってきます。
まずはウォーターサーバーに使われるそれぞれの水の定義を簡単に説明します。
天然水
自然の水源(地下水)から採水した天然の水のことです。採水地ごとに味やミネラル成分に個性があります。ほとんどの場合、殺菌処理がされています。
天然の水をそのまま味わうことができるので、水へのこだわりが強い人におすすめの水です。
RO水
原水をRO膜フィルター(逆浸透膜フィルター)と呼ばれる極めて微細なフィルターでろ過します。それにより、細菌などの不純物、汚染物質、塩素、カルキ等を除去した水です。
ミネラル成分も取り除かれるため、硬度0に近い純水になります。これがRO水と呼ばれる水で、これにミネラルを添加する場合もあります。
天然水よりもコストパフォーマンスが高いという特徴があります。
RO水の特徴!これでRO水とは何かが分かる
RO水は安い!その理由は?

RO水は天然水と比べてかなり水の価格が安くなります。
RO水が安い理由は、大量生産に向いているからです。
先ほど説明したとおり、RO水はRO膜(ROフィルター)でろ過することで作られます。
ROフィルターは非常に目の細かいフィルターで、水分子以外の物質をすべて除去します。
細菌や不純物はもちろんミネラル分も除去され、後には水以外には何も含まない純水(ピュアウォーター)が出来上がります。
そのためRO水の原水は、どこの採水地であっても構わないということになります。ROフィルターを通れば同じ純水(ピュアウォーター)になるからです。
海水もRO膜フィルターを通せば真水になります。そのため、「原水が何であっても関係ない」ということになります。
つまりRO水は、設備さえあればどこでも生産することができ、なおかつ人工的に品質や安全性を管理しやすいのです。そのため大量生産に向き、値段も安くなります。
RO水のウォーターサーバーには2タイプある!

ウォーターサーバーの水がRO水の場合、ひとくちに「RO水」と言っても、実は2種類あります。
2種類の違いは以下の通りです。
RO水そのまま(純水)
RO膜フィルターによるろ過の後、何も添加せずそのままの水。ミネラル成分はRO膜によって取り除かれているため、硬度0になります。
RO水にミネラルを添加したもの
こちらは、RO膜フィルターによるろ過後、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを添加した水のことです。
人工的にミネラル分を添加するため、誰にでも飲みやすいミネラルバランス、味に調節できるというメリットがあります。
それぞれに特徴があるため、確認しておきましょう。
『RO水そのまま(純水)』の特徴
- ミネラルを添加したものに比べ、水の価格がさらに安い。
- プロテインや粉ミルクなどを溶かすのに適している。
『RO水にミネラルを添加したもの』の特徴
- ミネラル補給もできる。
- 飲みやすい味、ミネラルバランスに近いように調整されている。
リターナブルボトルが多い

RO水のウォーターサーバーの特徴として、「リターナブルボトルの方が多い」ということが挙げられます。
ウォーターサーバーの配送ボトルには、リターナブルボトル(返却・回収方式)と、ワンウェイボトル(使い捨て方式)の2つがあります。
違いは以下の通りです。

[特徴]
使用後、空ボトルは取って置き、業者が回収に来たら返却する。
業者に回収してもらうまで、家に置いておくためのスペースが必要。
ワンウェイボトルよりも安い。ゴミが出ないためエコ。

[特徴]
使用後、空ボトルは潰してペットボトルとして捨てる。
自分で処分できるため、空ボトルを取って置く必要がなく場所を取らない。
リターナブルボトルより高い。
スーパーで汲むタイプの水もRO水が多い!

ウォーターサーバーの水としてはメジャーなRO水ですが、実はスーパーで汲むタイプの水もRO水が多いです。
スーパーに設置されているこのタイプの水は、ミネラルを添加していないRO水そのままの純水のものが多いようです。
一度専用ボトルを買えば、水代は無料で利用できるというシステムになっている場合が多く、うれしいサービスですよね。
ネックは水を家まで持ち帰るのがとにかく大変なところ。
それから、保存期間も短くなります。ウォーターサーバーなら温度調節やクリーン機能で水の鮮度を保つことができますが、ボトルに入っただけの水だと数日の間には飲み切ってしまわないと衛生面で心配です。
RO水と天然水の特徴まとめ
ここでウォーターサーバーに使われる天然水とRO水の特徴を改めておさらいしておきましょう。
天然水 | RO水 | |
---|---|---|
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|
原水 | こだわった採水地から採水 | 原水は重視されない 水道水の場合も |
処理方法 | 殺菌処理をしているものがほとんど | RO膜であらゆる不純物・成分を除去 |
安全性 | 基準値を超える汚染物質は含まれない | あらゆる汚染物質・成分をほぼ完全に除去 |
ミネラル | 含まれる | RO水そのまま(純水):含まれない RO水にミネラルを添加したもの:含まれる |
味 | 採水地により異なる。甘み、深みがある | RO水そのまま(純水):基本的に無味無臭 RO水にミネラルを添加したもの:比較的飲みやすい |
価格 | 高い | 安い |
配送ボトル | ワンウェイが多い傾向 | リターナブルが多い傾向 |
こんな人に
おすすめ |
・水の味にこだわりたい ・天然のミネラルがいい ・自分にぴったりの水を探したい |
・値段を安く抑えたい ・粉ミルクやプロテインを溶かしたい【RO水そのまま(純水)】 |
まとめ:RO水のウォーターサーバーはこんな人におすすめ!

RO水について分かってきたところで、RO水のウォーターサーバーはどんな人におすすめなのかをまとめましょう。
コストパフォーマンス重視!

これまでも述べてきた通り、RO水の一番のメリットは価格の安さです。
水のおおよその相場で言えば、天然水の価格は大体500mlあたり80円ほど。対してRO水は500mlあたり52円くらいが相場になります。
ウォーターサーバーでは、水の値段が一番大きな価格差にもなってくるため、毎月の利用料金には大きな差がつきます。
参考までに、天然水とRO水のウォーターサーバーの、それぞれの参考月額コストを比較してみましょう。
【比較表】RO水と天然水のウォーターサーバーの平均月額料金・相場
- 天然水は水代が高い代わりに、レンタル代無料が多い
- RO水はレンタル代がかかるかわりに、水代が安い
RO水は水の値段が安いため、水を多く使う人ほどお得になります。
家族の人数が多い人にもおすすめです。

※2注文ノルマがある関係で、一人暮らしの場合は水の注文が12Lの月と24Lの月が出てくることを想定して計算した。
赤ちゃんのミルク作りに使いたい!

RO水は赤ちゃんのミルク作りに使うのもおすすめです。
ミネラルの添加をしていないRO水(純水)は硬度が0のため、粉ミルクが溶けやすく、ミルクの成分の邪魔にもなりません。赤ちゃん用の水としてよく売られているのもこのタイプの水です。
ただし、「純水でないといけない」ということはありません。粉ミルクを溶かすのは軟水でも大丈夫です。
ただし、軟水の中には、一部の温泉水など、ナトリウムやカリウムなどの特定のミネラルを多く含むものもあるので、成分をきちんと見て選ぶようにしましょう。
天然水でも赤ちゃんにおすすめのウォーターサーバーは多数あるので、気になる方は下の記事をチェックしてみてください。
プロテインを溶かしたい!

ミネラルの添加をしていないRO水(純水)は、水の中に何の成分も含まれていません。そのため、プロテインなどを溶かし込む際は何も邪魔になるものがなく、他の水よりよく溶けます。
逆に、硬度の高すぎる水だとプロテインの粉末は溶けこまなくなってしまうため気を付けましょう。
何かを溶かしだす力に優れているので、プロテインに限らず、洗剤を溶かす時などに使ってみるのもおすすめです。
また、氷を作るときれいな透明な氷ができるので、試してみても面白いと思います。
ただし、塩素が含まれていないため、保存には向きません。その日のうちに使い切るようにしましょう。
※RO水ウォーターサーバーのおすすめランキングはこちら!
監修者のコメント

RO水と天然水、それぞれにメリットとデメリットがあります。そのまま飲むのでしたら天然水の方がおすすめですが、ライフスタイルやコストパフォーマンスなども考えて、楽しく選択してみてください。
(鶴田雅人、アクアソムリエマイスター・公認講師)執筆者のプロフィール
水のスペシャリスト「アクアソムリエ」として、WEBメディアでウォーターサーバーを紹介する記事を中心に執筆。「水ナビ」ではディレクターを担当。
※アクアソムリエは、日本アクアソムリエ協会の認定資格です。著者の所有資格について、詳細はこちらをご覧ください。