外出自粛中だからこそ熱中症に気を付けよう!アクアソムリエ&アナウンサーが教える水との付き合い方
皆さん、こんにちは!フリーアナウンサー&アクアソムリエの野中智子です。
4月に「水との上手な付き合い方」というテーマでコラムを書かせて頂いたのですが、この度ご縁を頂きまして、月1回程度の連載を担当させて頂くことになりました!
お水のことはもちろん、フリーアナウンサーとしてのお仕事のことなど、お水以外のことも色々とお伝えしていければと思っております。改めまして、どうぞよろしくお願い致します。
- 著者:野中智子
NHK長野放送局と千葉放送局で契約キャスターを務めたのち、現在はフリーアナウンサーとして活動中。
アクアソムリエとしては、第一期のメンバーとして資格を取得。水の専門家としての一面も持ち合わせている。
ブログ:https://ameblo.jp/ive-chiko/
Twitter:@smilechiko
熱中症に注意!外出自粛中だからこそ気を付けて!
新型コロナウィルスの感染拡大で、外出自粛の不自由な生活が続いています。
皆様の生活はいかがですか?
ご自宅でテレワークをなさっている方もいらっしゃれば、テレワークはできずこの状況でも出勤しないといけないという方もいらっしゃるでしょう。
また、お子さんの学校が休校になってしまって、仕事と子育てとの両立で大変な思いをしている方も多いのではないでしょうか。
皆さん、様々な思いや苦労を抱えて毎日を過ごしていらっしゃることと思います。
私は皆さんに比べると大した苦労ではないのでしょうが、サッカーJリーグに携わる仕事を主にしていたため、そのサッカーの試合が延期になりイベントなども軒並み中止になってしまいました。
今は仕事という仕事がなく、ほとんど毎日を自宅で過ごしています。
そんな中「今回のコラムのテーマはどうしようかな~?」と考え、ほぼ原稿も書きあがっていたのですが、急遽「テーマを変更したい!」と思う事態に直面しました。
実は、非常にお恥ずかしながら、「水と上手に付き合ってくださいね!」と伝えていたこの私が、先日熱中症の一歩手前のような状態になってしまったようなんです…。
書き上げていた原稿を変更してでも、この時期だからこそ、熱中症予防に水の大切さを改めて伝えなくてはいけないのでは!と急遽、内容を変更することにしました。
重度の熱中症が増加するのは5月から!

総務省のホームページによりますと、昨年2019年5月以降の熱中症による救急搬送人員は下の表の通りです。
内訳は高齢者が最も多く、次いで成人、少年、乳幼児の順となっています。
月(2019年) | 熱中症による救急搬送 |
---|---|
5月 | 4,448人 |
6月 | 4,151人 |
7月 | 16,431人 |
8月 | 36,755人 |
こう見ると、7月8月の暑い時期の救急搬送がもちろん多いのですが、5月から増え始めているということが分かると思います。
人は毎日大量の水を摂取し、排出している
人間の身体の水分の比率は、年齢によって変わります。
人は、年齢を重ねるにつれて、身体の中の水分が占める割合が減少していくのです。
人の身体の水分比率(年齢ごと)
- 乳児・・・約80%
- 子供・・・約75%
- 成人男子・・・60%
- 成人女子・・・50%
- 高齢者・・・50%
(標準体重の場合)
その中で、私たちは次のような方法で、日々水分を摂取しています。
1日の水分摂取量
- 飲み物から・・・1500ml
- 固形の食べ物から・・・800ml
- 体内の酸化作用・・・300ml
逆に、水分の排出には次のようなものがあります。
1日の水分排出量
- 肺・皮膚から・・・900ml
- 尿・・・1400~1500ml
- 便・・・100~200ml

排出量が摂取量を上回ってしまうと、脱水症状が現れ始めます。
毎日1500mlのお水をどう飲んでいくか。
その正しい飲み方としては、一気に飲むのではなく、1回につきコップ1杯程度(150~250ml)のお水を、1日に6~8回に分けて飲むことが推奨されています。
そのコップ1杯のお水を飲むときも、私はなるべく常温で、それを一気に飲むのではなく、身体にじっくりしみわたっているな~と意識しながらゆっくり飲むことを心掛けています。
そしてもちろん運動をするときには、小さなペットボトルを持ち歩き、目安としては15分に1回は水分を補給しようと意識しています。
在宅ワークだと水分補給を忘れがち
そんな私が、なぜ軽い熱中症になってしまったのか・・・。
自分自身、月曜日にラジオの天気予報で、「最高気温の高い日が続きます。こまめに水分を補給するなど熱中症対策をこころがけましょう」と伝え、水に対する意識も人一倍持っていたはずなのに・・・。
正直ちょっとショックでした・・・。
自分でこの原因を探ってみたところ、5月でまだ身体が暑さに慣れていないということに加え、新型コロナウィルスの影響で例年より在宅時間が長いということが影響しているのではないか?と思い当たりました。
実際、今年ゴールデンウィーク開けの気温を見てみると、5/10からは毎日最高気温が25℃を越えの夏日が続き、最低気温も高くなってきています。
私の家は、一日のほとんどを過ごすリビングが西に面しており、これからの季節は強烈な西日が射してきます。
もちろん真夏なら、14時を過ぎた頃からカーテンを閉めエアコンをつけます。
しかし5月のこの季節は、窓を開けていると涼しい風が吹き抜け、「暑い」ではなく、
更に具合が悪くなった当日と前日の行動を思い返してみると、午前中は洗濯をしたり掃除機をかけたりと活動しているため、1時間に1度水をきちんと摂取できていました。
ところが、午後から在宅ワークでパソコンに向かって仕事を始めると、集中しすぎるあまり時間が経っていることに気づかず、水を飲み忘れていたんです。
ここが一番の盲点だということに私、気づきました。
在宅ワークには「区切り」がないから水を飲み忘れてしまう
外で仕事をしている時には、周りに他の人もいて、仕事の作業自体にメリハリがあります。
たとえば、私のサッカーの練習取材を例に考えてみましょう。
- ① 電車に乗って練習場に行く。
- ② 練習を見て、選手に取材する。
- ③ 取材し終わったらインタビュー起こしをする。
- ④ 電車に乗って帰宅する。
こんなふうに、一つ一つの作業の間に区切りがあります。その間に場所を移動したり、他の記者さんと話をしたりする機会もあります。
そのタイミングで私はいつも気分転換も含めて、水を飲んでいたんです。
そうすると自分が特に意識していなくても、大体1時間に1回は水を飲んでいたということになります。
オフィスワークの人で、自席でずっとパソコンを見て仕事をしているという方であっても、途中に電話がかかってきたり、上司に声をかけられたり、周りの人に相談をしてみたりと、仕事の作業の区切りはあると思います。
(もしかしたら、集中したいのにその区切りのせいで集中が途切れてしまう…という方もいらっしゃるかもしれませんが)
そして、たぶんその区切りのタイミングでお手洗いに行こうかな、水を飲もうかな、紅茶を飲もうかなと考え、動くという作業も同時に行っているんだと思うんです。
しかし、在宅ワークだとどうでしょう…。そのメリハリ、区切りがないんです。黙々と一人でパソコンに向かって作業をしていると、誰も声をかけてくれないし、電話も私の場合はかかってこないし、ふと気づけば夕方になってしまっていたということもありました。

自分の中で水を飲むということは意識しているつもりでも、作業に区切りがないとそのことにすら気づかない!
実際、私は辺りが少し暗くなってきたときにパソコンから顔を上げ、立ち上がった時に立ち眩みがして、その後は歩いていてもフワフワした感覚で、クラクラ目が回る・・・という、脱水症状・熱中症の一歩手前のような症状が夜まで続きました。
めまいがした時に「これはまずい」と気づき、すぐに水を飲み始め、スポーツドリンク、経口補水液なども慌てて飲み始めたのですが、すぐに症状が改善することはなく、その日は早々に布団に入って休みました。
キッチンタイマーで熱中症対策!

もうあんな状態にはなりたくない!
作業に没頭するからいけないんだ!
なんとか区切りをつける方法はないものか?!
私、考えました。原始的すぎて大きな声で自慢できるようなことでもないのですが、キッチンタイマーを使ってみることにしました。
60分にセットして、ピピピピとタイマーがなったら、一旦止めて、椅子から立って体を軽く動かし、コップ1杯の水を必ず飲む。そして作業に戻る時には、またタイマーをセットする!

そうすれば嫌でも、区切りがついて、水を飲むことができます。それと同時に、水を飲むタイミングを明記した表を作成し、水を飲んだら印をつけるということもはじめてみました。

人一倍意識しているつもりの私でも、水分補給を忘れてしまうという在宅ワークの恐ろしさ!今皆さんの中にも、在宅ワークの方がたくさんいらっしゃると思います。
だからこそ、私にとってみたら非常にお恥ずかしい話なのですが、皆様にもこの危険性を分かって頂きたいと思いました。
「あっ私も仕事に集中しすぎてしまっている…」と思い当たる方いらっしゃいましたら、スマホのタイマーでもいいですし、是非その機能をうまく利用してみてください!
こまめな水分補給で、健康に自粛期間を過ごしましょう
これからジメジメした梅雨がやってきて、夏が始まります。在宅ワークもいつまで続くか分かりません。
喉が渇いたなと感じるタイミングには、すでに身体も渇きはじめています。それでは遅いんです。喉が渇いたと感じる前に、早め早めにコップ一杯の水を補給すること、これがとっても大事です。
またお年寄りは、若い人よりも喉の渇きを感じにくくなっています。ただでさえ体内の水分が年齢を重ねるにつれて少なくなっていますので、より水分補給が大事になります。
お近くにお年寄りがいらっしゃる方は、ご自分が水を飲むタイミングで、もし1回に飲める量が少なくなってしまっているようでしたら、30分に1回程度「お水飲もうか?」と声をかけてあげてください!
お互いに水を忘れずに摂取しながら、健康に過ごしていきましょう!
- 著者:野中智子
NHK長野放送局と千葉放送局で契約キャスターを務めたのち、現在はフリーアナウンサーとして活動中。
アクアソムリエとしては、第一期のメンバーとして資格を取得。水の専門家としての一面も持ち合わせている。
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